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素晴らしき江戸の曲者たち

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野口武彦さんの『大江戸曲者列伝 太平の巻』を読んだ。時代小説ではないが、江戸に生きた人物たちのゴシップを綴った読み物であり、著名人らが身近に感じられる一冊。

大江戸曲者列伝―太平の巻 (新潮新書)

大江戸曲者列伝―太平の巻 (新潮新書)

最近、メディアで「曲者=クセモノ」という言葉をあまり使わなくなったせいだろうか、語感が新鮮な気がする。子どものころ、プロ野球中継で、足が速くてバントが得意な選手がいると、「次ぎはクセモノの○○選手ですね、ピッチャーは気をつけなくてはいけません」とか実況していた。

犬を食えといった江戸北町奉行の曲淵甲斐守とか、幽界を見た少年、仙童寅吉(この話は時代小説で昔読んだ記憶があるが、何という作品だったか思い出せない)、幕末に万葉人になってしまった男、平賀元義など、面白かった。

遠山の金さん、こと江戸北町奉行遠山金四郎景元の刺青が、おなじみの桜吹雪ではなくて、女の生首が髪の毛を振り乱して、口に手紙を加えているものだと記していた。同じような記述が、河治和香さんの『侠風むすめ』にも出てきたので、史実はそうなのだろう。

国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ (小学館文庫)

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