江戸の産婦人科・中條流の女医者

諸田玲子さんの『恋ほおずき』を読み始めた。主人公の江与(えよ)は、浅草田原町で「中條流婦人療治」と染め抜いた長のれんを出す女医者。

恋ほおずき (中公文庫)

恋ほおずき (中公文庫)

中條流は、表向きは妊婦や子どもの病をあつかうことになっていたが、実態は堕胎医である。幕府は堕胎を禁止していたが、産婦人科と小児科を建前とする中條流を黙認していたため、子を堕ろす女はあとを絶たず、お上も見て見ぬふりをしていたが……。

時代は天保十三年(前年に江戸三座が浅草猿若町に移転したと書かれている)、折りしも老中水野忠邦の天保の改革真っ只中。南北の町奉行に女医者について実態を調べるように沙汰を下した。

そんな中で、江与は女医者の実態を探る北町奉行所同心・津田清之助と知り合い、ほのかに恋心をもった……。

何やら、宇江佐真理さんが得意な小説のパターンでもある。ああ、江与の恋の成り行きが気になるところ。早く本に戻ろう。