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実在した幕府の隠密帳を題材にした時代小説

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原本が一冊のみ実在するという江戸幕府の隠密帳『土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)』。元禄三年に幕府の高官によって記されたという謎の書である。そこには幕府隠密が調べ上げた諸大名243人の驚くべき実態が報告されていた。なかでも、弘前藩主津軽信政の評価は最悪で、幕閣に報告が上がれば間違いなく御家断絶は免れないものであった。

土芥寇讎記 (史料叢書)

土芥寇讎記 (史料叢書)

獏不次男(ばくふじお)さんの『津軽隠密秘帖』は、その隠密帳『土芥寇讎記』をめぐる、弘前藩の忍びと幕府隠密の暗闘を描く伝奇色の強い時代小説。著者の獏さんは、弘前市生まれで元高校の校長先生を務められた方だそうだ。

津軽隠密秘帖

津軽隠密秘帖

Googleで『土芥寇讎記』を調べていて引っかかり、アマゾンで入手した本だ。種本がユニークなだけに、面白い物語が期待できそうな一冊。ちなみに、『土芥寇讎記』は昭和42年に原本が所蔵されている東京大学史料編纂所の金井圓(かないまどか)教授の校注により、活字化されて公刊されている。

最新刊の磯田道史さんの『殿様の通信簿』は、『土芥寇讎記』をベースに書かれた歴史エッセイである。こちらも注目したい。

殿様の通信簿

殿様の通信簿