2023年時代小説SHOWベスト10、発表!

刺客は小説の中だけで

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佐伯泰英さんの「酔いどれ小籐次留書」シリーズの最新刊『一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)』を入手する。多くの人気時代小説シリーズをもつ、佐伯さんの中で、もっともオリジナリティのある主人公が登場し、第一作での鮮烈でスケールの大きな活躍ぶりからお気に入りのシリーズである。

主人公の小籐次は、肥前鍋島本藩三十五万七千石、支藩の小城藩ら四家と死闘を繰り返す中で、とくに「追腹組」と呼ばれる過激なグループに命を狙われる身。「酔いどれ小籐次」と江戸の人々に名が知れ渡っている有名人でもある。そのため、江戸の分限者の間で、小籐次の首に懸賞金を掛けるという、たちの悪い遊びが密かに進んでいた。次々と小籐次を襲う刺客のたち…。

郵政事業民営化に反対した自民党議員に、ぶつけられた賛成派対立候補の問題で、マスコミでは「刺客」と言葉が盛んに使われ、朝日新聞では、小池百合子環境相を「くノ一」と風刺したマンガを載せていた。「刺客」という言葉は現実の世界では穏当ではなく、小説の世界だけにしておいてほしい。

一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)

一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)