遭敵海域(2)

C・W・ニコルさんの『遭敵海域 (文春文庫)』を読了した。第一次世界大戦直前から勃発までを描いた戦争小説である。紀州太地の鯨捕りの若者甚助の活躍を描いた海洋時代小説の傑作『勇魚〈上〉 (文春文庫)』からの流れで、読み続けているが、時代は大正に入り、時代小説の範疇に入れるのは難しくなった。

今まで知る機会がなくて、日本が第一次世界大戦にどのように関与したかについてわからなかったので、この物語を読んで、少し時代感覚がつかめた気がする。しかも、日本だけでなく、カナダ、イギリス、シンガポールとワールドワイドに、主人公の海軍士官銛一三郎(甚助の三男)が活躍し、スケールがより大きなものになっている。

翻訳者の村上博基さんは、映画化するとしたら、主役の三郎には織田裕二さんがいいということを書かれていたが、伊藤英明さんか坂口憲二さんの方が原作のイメージによりピッタリだと思う。

この作品の文庫化と同時に、続編の『特務艦隊』が刊行された。日本艦隊が地中海でドイツのUボートと対決するシーンが描かれているようで、興味深い。文庫化まで待って(ちょっとせこいが)ぜひ読みたいと思う。

特務艦隊

特務艦隊