「【時代小説】2026年3月上旬の新刊情報(文庫)」を公開

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『藩邸差配役日日控』|砂原浩太朗|文春文庫

藩邸差配役日日控(文春文庫)
2026年3月1日から3月10日に刊行予定の文庫新刊情報として、
「2026年3月上旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。

今回、特に注目したいのは、砂原浩太朗(すなはら・こうたろう)さんによる時代小説、
『藩邸差配役日日控』(文春文庫)です。

著者の砂原さんは、2016年『いのちがけ』で第2回決戦!小説大賞を受賞して作家デビュー。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第165回直木三十五賞候補となり、一躍注目を集めました。同作では第11回本屋が選ぶ時代小説大賞、第15回舟橋聖一文学賞、第9回野村胡堂文学賞を受賞。さらに2022年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞されています。
いま最も活躍が目覚ましい時代小説家の一人です。



あらすじ

実直な差配役、里村五郎兵衛が五つの難題に挑む、静かで痛快な時代小説。

神宮寺藩七万石の江戸藩邸には、陰で“なんでも屋”と揶揄される差配役の里村五郎兵衛がいる。世子・亀千代君の失踪騒動や御用商人を巡る不正入札、妖艶な女中が引き起こす色恋沙汰、さらには正室が溺愛する老猫の捜索まで、彼のもとには、藩邸内の厄介事なら大小問わずなんでも持ち込まれる。

「誰にもできぬお役を果たすのが差配方じゃ」

人が死ぬことを好まぬという信念と持ち前の機転で、一つひとつの事件に誠実に向き合い、解決の糸口を探る日々。そのなかで五郎兵衛は、その裏にうごめく巨大な陰謀と切ない真実にたどり着く。
厳格な武家社会のしがらみの中で懸命に生きる人々の孤独や、家族と若君を守り抜こうとする五郎兵衛の覚悟が胸を打つ、温かくも静かで哀切に満ちた五つの物語。

(『藩邸差配役日日控』(文春文庫)Amazonの紹介文より抜粋・編集)

ここに注目!

本作の主人公、里村五郎兵衛は、神宮寺藩七万石の江戸藩邸で差配役を務めています。藩邸の厄介事が次々と持ち込まれ、“何でも屋”などと揶揄される存在です。会社にたとえれば、総務部長のような役どころといえるでしょう。

本作は連作形式で、厄介事を解決していく五郎兵衛の日常が描かれます。

日々、藩邸内の揉め事や騒動に奔走する差配方と、その頭である五郎兵衛ですが、帰国していた殿が病に伏せたとの報せが暗い影を落とします。
後継をめぐる争いが表面化し、江戸家老派と留守居役派に二分。五郎兵衛にも両派から誘いがかかります……。

物語は一気にサスペンス色を強めていきます。端正で静謐さを帯びた筆致に、痛快さも兼ね備えた抜群の読み味。今の砂原浩太朗さんの充実ぶりを存分に味わえる、傑作の一つです。

今月下旬には、シリーズ第2弾の『星月夜 藩邸差配役日日控』(文藝春秋)も刊行されます。こちらも楽しみなりません。

▼単行本『藩邸差配役日日控』の紹介記事

江戸藩邸の“何でも屋”の痛快な日々を描く連作小説集
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今回ご紹介した本


砂原浩太朗|時代小説ガイド
砂原浩太朗|すなはらこうたろう|時代小説・作家1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者。2016年、「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。2018年、単行本第1...