『神獣夢望伝』|武石勝義|新潮文庫
2026年1月21日から1月末日にかけて刊行予定の文庫新刊情報として、
「2026年1月下旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。
今回、特に注目したいのは、武石勝義さんによる中華ファンタジー小説、
『神獣夢望伝』(新潮文庫)です。
著者について
1972年生まれ、東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。
2018年から本格的に小説執筆を開始し、主に小説投稿サイトで作品を発表してきました。
2022年、「夢現の神獣 未だ醒めず」で日本ファンタジーノベル大賞2023大賞を受賞。
2023年、同作を改題した『神獣夢望伝』でデビューを果たしています。
『夏のカレー 現代の短篇小説ベストコレクション2024』(文春文庫)には短編「煙景の彼方」を、
『シメオンの柱 七つ奇譚』(文芸社文庫NEO)には「クライマーズ・ドリーム」を収録しています。
あらすじ
神獣を信奉する国・耀の小村から、ひとりの男が出奔します。彼の望みはただ一つ、軍で出世し、大切な恋人を取り戻すこと。一方、いつのまにか村に居ついた少年もまた、夢に何度も現れる景色を求めて旅に出ます。 愛と裏切り、戦乱と謀略――それぞれの思惑が交錯し、物語は衝撃の運命へと突き進みます。圧倒的なスケールと、登場人物たちの鮮烈な生き方に息をのむ、激動の中華幻想スペクタクルです。日本ファンタジーノベル大賞2023受賞作。
(『神獣夢望伝』(新潮文庫)Amazon紹介文より抜粋・編集)
ここに注目!
日本ファンタジーノベル大賞の過去の受賞作の中には、時代小説に分類できる作品も少なくありません。藍銅ツバメさんの『鯉姫婚姻譚』(2021)や、大塚已愛さんの『鬼憑き十兵衛』など、既存の時代小説の枠には収まらない、一筋縄ではいかない作品が並びます。
これは、ファンタジーノベル大賞が「既存の文学新人賞では評価されにくい作品」を積極的に掬い上げようとしているからでしょう。
本書もまた、神獣の創り出した世界、架空の国・耀を舞台に、くり返し見る夢の景色を探して旅立つ少年、恋人を取り戻そうと村を出奔する青年、そして一度は愛した男に裏切られた女など、不条理な運命に翻弄されながらも、権謀術数の渦中で抗おうとする人々の姿が描かれます。
キャラクターの濃さと物語構成の巧みさが選考委員に高く評価され、大賞を射止めた一作です。
未読ではありますが、文庫化を機に、ぜひ読んでみたい一冊です。

今回ご紹介した本






