『本日初日 歌舞伎楽屋裏ばなし』|泉ゆたか|徳間文庫

2026年1月1日から1月10日に刊行予定の文庫新刊情報として、
「2026年1月上旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。
今回、特に注目したいのは、泉ゆたかさんによる文庫書き下ろし時代小説
『本日初日 歌舞伎楽屋裏ばなし』(徳間文庫)です。
著者は、2016年に『お師匠さま、整いました!』で第11回小説現代長編新人賞を受賞し、デビューしました。2019年には『髪結百花』で第8回日本歴史時代作家協会賞新人賞および第2回細谷正充賞を受賞しています。
その後も、時代小説を中心に精力的に作品を発表し、「お江戸けもの医 毛玉堂」「眠り医者ぐっすり庵」「蔦屋の息子」など、多くの人気シリーズを手がけてきました。現在注目を集める、気鋭の時代小説作家です。
あらすじ
今をときめく女形役者・五代目岩井半四郎の付き人として働く希和。 河原崎座の座元から、失踪した若手役者・藤助を千穐楽までに連れ戻すよう命じられます。
しかし、藤助の行方を尋ねる希和に、河原崎座の人間は誰も口を開きません。
行き詰まったとき、大道具方の勘兵衛が教えてくれたのは、
藤助と同じ無名の役者だった、亡き父の過去でした。華やかな舞台の裏で働く少女の奮闘記が、いま幕を開けます。
(『本日初日 歌舞伎楽屋裏ばなし』(徳間文庫)Amazonの紹介文より抜粋・編集)
ここに注目!
仕事を持って働く女性の心理を巧みに描くことに定評があり、江戸お仕事小説を得意とする著者。本作では、芝居小屋で花形役者の付き人を務める希和が主人公です。
映画『国宝』の記録的な大ヒットや、『木挽町のあだ討ち』(原作・永井紗耶子)の映画化などを背景に、近年、歌舞伎への注目が高まっています。歌舞伎小説の書き手も、松井今朝子さんや蝉谷めぐ実さん、新人では『かぶきもん』の米原信さんなど、層が厚くなってきた印象があります。
五代目岩井半四郎(1776-1847)の付き人という設定から、江戸歌舞伎が全盛を迎えた化政期を舞台に、俳優そのものではなく「裏方である付き人」の視点で芝居の世界を描いていく点も、本作ならではの魅力です。
芝居小屋ではどのような事件や出来事が描かれていくのか、興味が尽きません。

今回ご紹介した本









