【日々是好日】時代小説は、夜明け前なのかも

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ライト文芸と異世界警察小説の新進気鋭の作家とお会いして

拾ったのが本当に猫かは疑わしい
少し前の話になりますが、10月にあるイベントをお手伝いした際、ホームグラウンドである歴史・時代小説とは異なるジャンルで活躍されている新進気鋭の作家の方々にお会いしました。

『陰陽師と桜姫』(小学館文庫)など、ライト文芸・キャラクター文芸の分野で活躍されているあすみねねさんのご紹介で、アルファポリス第6回ライト文芸大賞「大賞」を受賞した『拾ったのが本当に猫かは疑わしい』の著者・ねこ沢ふたよさんとお話しする機会に恵まれました。同作は好評を博し、現在第3巻まで刊行されています。

また、同じくあすみさんのご紹介で、『激闘! 異世界警察24時 最前線スペシャル!』(マッグガーデン)でデビューされた片栗粉(かたくりこ)さんにもお会いしました。こちらはコミカライズ企画も進行しており、まもなく刊行される予定です。

それぞれのデビュー作がとても面白かったので、後ほど紹介しますが、お二人から伺ったお話も興味深く、楽しいひとときを過ごすことができました。

お二人とも時代小説に関心を寄せてくださっていて、ねこ沢さんは「八百屋お七」をモチーフにした作品を温めており、片栗粉さんはご自身の地元の武将(マイナーで、歴史小説では主役級として語られることが少ない人物)を描く作品を書いてみたいと話してくださいました。

これまで私は、「新しい読者をどう増やすか」ということばかり考えていましたが、その前に「新しい書き手が登場すること」が必要なのかもしれないと、改めて思い直しました。

ある作家の方が、停滞感のある時代小説の現状について、「今はちょうど夜明け前です」とおっしゃっていたのを思い出しました。もしかすると、ある日突然に、ぱあっと夜は明けていくのかもしれません。

『拾ったのが本当に猫かは疑わしい』|ねこ沢ふたよ|アルファポリス文庫

あらすじ

七年付き合った彼氏に振られた帰り道、黒い塊を拾った薫。シャワーで綺麗にしてみると、その黒い塊は人語を喋る猫であった。薫は、自分のことを猫だと言い張るヘンテコ生物をモドキと名付け、一人と一匹の奇妙な共同生活がスタートする。さらにある日、モドキがきっかけで、猫好きな獣医学生の隣人・柏木と交流が始まり――。

やたらオヤジ臭い猫(?)に助言をもらいながら、どん底OLが恋愛に仕事に立ち向かう。ちょっぴり笑えて心温まる、もふゆるストーリー。

(『拾ったのが本当に猫かは疑わしい』表紙カバー裏の紹介文より抜粋・編集)

ここに注目!

七年間付き合った彼氏に二股をかけられた末に別れた薫。雨の夜、会社帰りに拾ったのは、人語を理解し喋る猫(?)でした。猫と呼んで良いのか迷うほど不思議な存在に、薫は“モドキ”と名付け、一人と一匹の共同生活が始まります。

モドキは、猫様スティックを手にする姿が可愛い一方で、晩酌が好きでビールをぐいぐい飲み、時代劇を観るというオヤジ臭い一面も。温かく柔らかなモフモフの毛並みは極上の癒しで、猫好きの心をくすぐります。

そんなモドキを介して、隣室の獣医学生・柏木との交流も始まり――。

同じ部署の後輩と二股をかけられ、都合よく扱われていた薫が、最悪の状況からどう立ち直るのか。モドキをパートナーに、恋に仕事に立ち向かう姿が爽快で、読むと元気がもらえる“モフモフ”物語です。続きを読んで、モドキの見せる世界をもっと応援したくなりました。


今回取り上げた本


書誌情報

『拾ったのが本当に猫かは疑わしい』
ねこ沢ふたよ

アルファポリス・アルファポリス文庫
2024年7月30日初版発行

Illustration : Meij
Design : AFTERGLOW

目次
第一章 拾ったのは猫かもしれない
第二章 拾ったのは小さな幸せかもしれない
第三章 拾ったのは守りたいモノかもしれない
第四章 拾ったのは家族かもしれない
第五章 拾ったのは大きすぎるくらいの幸せかもしれない

本文322ページ

本書は、2023年、「拾ったのが本当に猫かは疑わしい」でアルファポリス第6回ライト文芸大賞「大賞」を受賞した作品を、改稿の上文庫化したもの。

ねこ沢ふたよ|作品ガイド
ねこ沢ふたよ|ねこさわふたよ|ライト文芸作家兵庫県出身。2023年、「拾ったのが本当に猫かは疑わしい」で、アルファポリス第6回ライト文芸大賞「大賞」を受賞し、出版デビュー。時代小説SHOW 投稿記事著者のホームページ・SNSねこ沢ふたよ🐈‍...

『激闘! 異世界警察24時 最前線スペシャル!』|片栗粉|マッグガーデン

あらすじ

数十年前、日本国のI県とC県との境に突如として『異世界』が現れた。 王族が政治を行い、甲冑を纏った騎士が闊歩し、獣人族・リザード族・エルフ族など多種族が共に生きるガーランド王国は、日本の〈特別区〉として組み込まれることとなった。

ガーランド王国の王子として生まれたユリウスは、幼い頃に助けられた経験から日本の警察官へと新任する――。

これは、〈特別区〉とI県境の治安を守る警察官たちの、熱き戦いの記録である!

(『激闘! 異世界警察24時 最前線スペシャル!』表紙カバー裏の紹介文より抜粋・編集)

ここに注目!

激闘! 異世界警察24時 最前線スペシャル!

茨城県をモデルにしたと思われるI県に「異世界」が現れ、日本の特別区として行政に組み込まれました。この特別区=ガーランド王国を管轄する境島警察署では、日本人警察官のほか、獣人族、リザード族、ワーウルフなど、多種族の警察官が共に働いています。

迷子や徘徊者、野菜・家畜泥棒、不法滞在、入管法違反、振り込め詐欺、不審死など、日々多様な事件が発生し、警察官は現場へ急行します。
ときおり見せる種族ごとの“本性”もユニークで、作品に楽しさを加えています。

さらに、ガーランド王国の王子・ユリウスが新人警察官として境島署に配属され、奮闘しながら成長していく姿が物語を引き込みます。

著者は警察行政職員として警察署に勤務した経験をお持ちで、署内の実情に精通していることが作品の強みとなっています。警察官の日常や言動がリアルに描かれており、物語世界にすっと入り込めるのが大きな魅力です。
警察官たちの活躍と警察署内の様子がつぶさにわかる、テレビの「最前線!密着警察24時」のようです。

本作は今月コミカライズ版も刊行されます。表紙装画や挿絵では多彩なキャラクターが描かれ、コミック版もシームレスに楽しめそうです。


今回取り上げた本


書誌情報

『激闘! 異世界警察24時 最前線スペシャル!』
片栗粉

マッグガーデン・マッグガーデン ノベルズ
2025年7月25日初版発行

イラスト: 内河
キャラクター原案:高寛
装幀:鈴木佳成(合同会社ピッケル)

目次
第一話 伸びるな我が冷やし中華、と警官は言った。
第二話 騎士様の入店はご遠慮下さい
第三話 初任科生よ大志を抱け
第四話 仰げば鬱陶し
第五話 真夏の畦道でつかまえて
第六話 家畜泥棒にご注意ください
第七話 落とし物はなんですか?
第八話 職務質問にうってつけの日
第九話 家宅捜索令状はございますか?
第十話 汚れつちまつた妄想に
第一一話 警察百景
第一二話 見学クライシス!
第一三話 誰が為にサイレンは鳴る
第一四話 巡察騒動
第一五話 ポリス・スケアリー・ストーリーズ
書き下ろし:ものすごく不運で、ありえないほど最悪な一日
SS 堺島署スイカ日和

本文281ページ

本書は「小説家になろう」に掲載された作品に加筆修正を加えて書籍化した作品です。

片栗粉|作品ガイド
片栗粉|かたくりこ|ライトノベル作家某県警の警察行政職員を経て、退職後に創作活動スタート。時代小説SHOW 投稿記事著者のホームページ・SNS片栗粉@コミカライズ12/12発売!(@katakuriko894) | X→片栗粉の本(Amaz...