【今日の書棚】来年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」を楽しむための本

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天下人・豊臣秀吉の子どもたちの栄光と悲劇

ありがたいことに、多くの時代小説に囲まれて日々暮らしています。毎日のように書棚へ新しい本が加わっていくのを、幸福感に包まれながら眺めています。

これまで「時代小説SHOW」では、“推し”の作品や、読んで感銘を受けた本などを随時ご紹介してきました。
しかしその一方で、大切に取っておきたいと思うあまり積読になってしまったり、読了後に紹介の時間が取れなかったりして、紹介する機会を逃してしまった本も少なくありません。
縁があって、書棚にやってきた本を紹介できないことに、不甲斐なさを感じ、喉に刺さった小骨のように小さな痛みとして心に残っていました。

そこで、【今日の書棚】と名付けて、新しく書棚に加わった本を中心に、本を紹介していきたいと思います。
ここで取り上げた本に興味を持っていただけたら、幸いです。

『秀吉の血筋』|近衛龍春|実業之日本社

『秀吉の血筋』(実業之日本社)「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」もいよいよ来週の最終回を残すのみとなり、森下佳子さんの秀逸な脚本で、華やかに繰り広げられる蔦重ワールドを楽しめるのもあとわずか。早くも「べらぼう」ロスで淋しい気持ちです。しかし一方で、次の大河ドラマ「豊臣兄弟!」を心待ちにしている面もあり、これからの1年に刊行される豊臣ものの小説を大いに楽しみたいという思いが膨らんでいます。

『秀吉の血筋』は、『家康の血筋』(実業之日本社文庫)の姉妹編にあたります。『家康の血筋』が徳川家康の五人の息子(松平信康・結城秀康・徳川秀忠・松平忠吉・松平忠輝)の激烈な生涯を描いているのに対し、『秀吉の血筋』では、秀吉の養子を含む五人の子どもたちの栄光と没落が描かれています。

その五人とは、御次秀勝(おつぎ・ひでかつ)、小吉秀勝(こきち・ひでかつ)、関白秀次宇喜多秀家、そして豊臣秀頼です。皆、名前に「秀」の字が付く一方で、秀頼のみが豊臣姓で章タイトルに記されている点にも注意が引かれます。

特に、御次秀勝と小吉秀勝は、あまり知られていない人物で興味をそそられます。彼らはどのような人物だったのでしょうか。

御次秀勝は、織田信長の五男(四男説もあり)として生まれ、「御次丸(おつぎまる)」と呼ばれていました。天正七年、十二歳のときに羽柴筑前守秀吉の養子となった人物です。

小吉秀勝は、秀吉の姉・智(とも)と三好吉房の次男で、浅井長政とお市の三女・江姫の二番目の夫として知られています。

本書は、秀吉の五人の子どもたちの生涯をたどることで、豊臣秀吉の実像や豊臣家のあり方に迫る、興味深い歴史小説です。来年の大河ドラマをより深く理解するための一冊としても、大いに役立つことでしょう。


今回取り上げた本


書誌情報

『秀吉の血筋』
近衛龍春

実業之日本社
2025年12月5日初版第1刷発行

装画:久保周史
装丁:泉沢光雄

目次
第一章 御次秀勝
第二章 小吉秀勝
第三章 関白秀次
第四章 宇喜多秀家
第五章 豊臣秀頼

本文463ページ
書き下ろし

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