【日々是好日】文学フリマ東京41で収獲したものは?

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今日読みたい本|『口出し屋お貫』|中島要|祥伝社

文学フリマ東京41(2025年11月23日、東京ビッグサイト)11月23日(日)、東京ビッグサイトで開催された「文学フリマ東京41」に、日本歴史時代作家協会のブース(南1・2 S-71,72)のスタッフとして参加しました。

協会スタッフとしての業務がメインだったため、今回も会場のブースをくまなく見て回ることができず、S列周辺と知り合いの方が出店しているブースを中心に立ち寄る程度となりました。

文学フリマ東京41での収獲品

文学フリマ東京41の戦利品■ 最東対地の嗤う壷企画(Q-45,46)
ホラー作家・最東対地(さいとう・たいち)さんの『耳なし芳一のカセットテープ』を購入しました。ご挨拶をしたところ、購入した本にサインをいただきました。特製ステッカーシール付きです。最東さんのお友達である谷津矢車さん、額賀澪さん、天祢涼さんなど、ジャンルの異なる作家の皆さんがブースを仲良く手伝っておられました。

■ 文人墨客(X-32,33)
時代小説家・中島要(なかじま・かなめ)さんの『口出し屋お貫』を入手しました。文芸評論家・細谷正充氏が店番をされていると聞き、ご挨拶に伺ったところ、中島要さんが隣りに座っておられてびっくり。今年の細谷正充賞の受賞者が、まるで“招き猫”ならぬ“招き人”のように感じられました。同じく『エレガンス』で細谷賞を受賞した石川智健さんも、一つ前のコマで店番をされていたそうです。

■ 中華エンタメ作家の会(S-47,48)
千葉ともこさん、坂井のどかさんらが歴史時代作家も参加されているブースで、会のオリジナルアンソロジー『中華繚乱 第一号』を購入しました。文学フリマ後に、じっくり味わって読むつもりです。

■ リトル ウエスト キャット(S-51)
『纏足探偵』小島環さんと、『おから猫』西山ガラシャさんによる、名古屋を拠点に活躍されているお二人のブースです。最新のオリジナル作品集『華と影』を入手しました。書き下ろしの最新短編が収録されています。

■ わんにゃん堂(S-68)
辻寛之さん、犬塚理人さん、酒本歩さんら、ミステリー作家の皆さんによるブースです。『こうしてぼくらはデビューした(2) 実践編』が手に入りました。小説新人賞応募ガイド『こうしてぼくらはデビューした』の続編で、今回から稲羽白菟さん、白木健嗣さんが加わり、さらにパワーアップしています。すぐに試してみたくなる、真似してみたくなるヒントが満載です。

■ 藤堂邸裏門(O-54)
ぱっちーさんの『遠き近き水くきのあと』を購入しました。恋愛シミュレーションゲーム「イケメン幕末~運命の恋~華の都と恋の乱」の二次創作とのことです。ゲームを存じ上げなかったのですが、隣のブース「お写ん歩書房」のIさんの紹介で手に取りました。

近場ばかりの紹介になり、申し訳ありません。
次回こそ、会場をくまなく見て回りたいと思います。

中島要さん『口出し屋お貫』について

口出し屋お貫時代小説のサイトらしく、中島要さんの『口出し屋お貫』について少しご紹介します。

本作は、本年度(第8回)細谷正充賞の受賞作です。

「口入れ屋は商売だけど、口出しするのは性分なんで」と語る、口入れ屋の若き女主人・お貫がヒロインです。
祖父の店を継いで順調に主人となったものの、父は結婚を許されず母と駆け落ちし、母は子を産んで姿を消し、残された父もお貫が8歳の時に亡くなります。
その後、祖父に引き取られるも、すぐに同業の口入れ屋へ奉公に出されるという、苦労を重ねた女性です。

口入れ屋には、勤め先を辞めた人々や、新たな奉公人を求める主人や番頭が訪れます
。お貫は、仕事がうまくいかず愚痴や言い訳ばかりする人々に対し、筋道立てて厳しい言葉を投げかけ、時に怒らせてしまいます。
しかしその根底には、「仕事がなくて困っている人の力になりたい」「真面目に働く女性の支えになりたい」という親身な思いがあり、お節介を焼き、つい口出しをしてしまうのです。

本作には、そんなほろりと泣ける人情話が六編収録されています。
中でも「その五 卯の花」は、一幕物のように情景描写が鮮やかで、登場人物の心情もきめ細やかに描き出された名品です。

また、『吉原なかと外』に登場する元花魁・美晴のその後の姿も描かれています。お貫の相棒として活躍する彼女は、登場するだけで物語がぱっと華やぎ、美しく光を放って見える稀有なキャラクターです。


今回取り上げた本



書誌情報

『口出し屋お貫』
中島要
祥伝社

2024年9月20日初版第1刷発行
装幀:かとうみつひこ
カバー画:中川学

目次
その一 ふりだし
その二 悪縁
その三 世間知らず
その四 忠義者
その五 卯の花
その六 老愁

本文251ページ

「その一 ふりだし」は、月刊『小説NON』2025年4月号(祥伝社刊)に掲載。
「その二」以降は書き下ろしです。

中島要|時代小説ガイド
中島要|なかじまかなめ|時代小説・作家早稲田大学教育学部卒業。2008年、「素見(ひやかし)」で第2回小説宝石新人賞を受賞。2010年、『刀圭』でデビュー。2018年、「着物始末暦」シリーズで、第7回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。■...