【新着本】光文社文庫2025年9月の新刊。幕府最大の危機に、鬼役が立つ

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『首塚 鬼役(三十五)』|坂岡真|光文社文庫

光文社文庫の2025年9月の新刊をご紹介いたします。
今月は、坂岡真(さかおか・しん)さんによる大人気時代小説シリーズの第三十五弾、『首塚 鬼役(三十五)』の1点です。

『首塚 鬼役(三十五)』

首塚 鬼役(三十五) (光文社文庫)

坂岡真
光文社・光文社文庫

カバーデザイン:多田和博+Fieldwork
カバーイラスト:ヤマモトマサアキ

ここに注目!
著者の坂岡さんは、「鬼役」シリーズと、その原点といえる「鬼役伝」シリーズ(光文社文庫)「はぐれ又兵衛例繰控」シリーズ(双葉文庫)で、2022年第11回日本歴史時代作家協会賞シリーズ賞を受賞されています。

本シリーズは著者の代表作の一つであり、本書で第35巻を迎え、シリーズ累計234万部を突破した超人気作です。

その魅力の一つが、主人公・矢背蔵人介やせくらんどのすけの二面性です。将軍を守る「御膳奉行」として毒見役の重責を担いながら、幕府内の悪を密かに斬る暗殺役としても活躍します。

将軍に供される料理を命がけで試食する毒見役の任務のほか、魚の小骨を取り除くことも重要な役目です。小骨が喉に刺さっただけでも死罪になりかねないという、過酷な役目なのです。

矢背家は代々、毒を喰らい毒見を生業としており、「首を抱いて帰る覚悟を持て」と教えられてきました。そんなある日、将軍家慶の毒見役を務める蔵人介の養子・卯三郎が、何者かの仕掛けた毒を喰らい、生死の境をさまようことになります。

誰が、どんな毒を仕掛けたのか――。犯人を突き止めるため、蔵人介は卯三郎に代わって毒見役に就きます。

一方、江戸の町では卑劣な手口で商家の蔵を襲う盗賊“大工小僧”が出没し、さらに平将門を祀る神社ばかりが賽銭泥棒の被害に遭うという奇妙な噂が広がります。いったい何ゆえなのでしょうか。

やがて事件の背後には、江戸幕府を揺るがす大陰謀が潜んでいることが明らかになります。それは、幕府開闢の時代にまでさかのぼる秘事に深く関わるものでした。

スケールの大きな物語と、伝奇色あふれる展開で、ページをめくる手が止まらない迫力の一作です。久々に“坂岡ワールド”を存分に堪能できました。

あらすじ

「毒を啖うて死なば本望」――鬼役の役目を継いだ矢背卯三郎が毒を盛られ、生死の境をさまよう事態に陥った。養父である蔵人介にも迫る魔手。その背後では、江戸幕府開闢時にまでさかのぼる恐るべき陰謀が進行していた! 尋常ならざる強敵に総力戦で挑む矢背家。そして現れた人知を超えた存在……。驚愕の展開に最後まで息が抜けないシリーズ第三十五弾。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

目次
牛姫の託宣/天海の仕掛け/国宝

2025年10月20日 初版1刷発行
本文317ページ
文庫書き下ろし

今回取り上げた本