長屋の住人たちのおせっかいが、この世の悪まで懲らしめる

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『深川おせっかい長屋 綿を入れて、恋をほどいて』|喜多川侑|実業之日本社文庫

深川おせっかい長屋 綿を入れて、恋をほどいて (実業之日本社文庫)喜多川侑(きたがわ・ゆう)さんによる文庫書き下ろし時代小説、『深川おせっかい長屋 綿を入れて、恋をほどいて』(実業之日本社文庫)をご紹介します。

『深川おせっかい長屋 胸騒ぎの萬年橋』に続く、人情長屋時代小説シリーズの第2弾です。

著者について
2013年に専業作家となり、別名義ではアクション・バイオレンス作品を100冊以上上梓しているベテラン作家です。
2023年には、芝居小屋を舞台にした痛快時代小説『瞬殺 御裏番闇裁き』(祥伝社文庫)で、喜多川侑の名義にて時代小説デビューを果たしました。期待の新星です。

あらすじ

神田の大火で両親を亡くしたお奈々。普段は元気いっぱいだが、ふと寂しさに襲われることがある。そんな折、奉公先の大手呉服問屋で、手代・藤三郎に恋心を抱き、小袖の綿入れを申し出る――。 火消しの玉造は火事場で救った髪結いの女に心を動かされ、南部水沢藩の浪人は女敵討ちのために長屋へやって来る。魚売りの権助は身近な女性に恋心を抱き……。 魅力的な長屋の人々が織りなす江戸人情譚。読めば元気が湧いてくる一冊です。

(『深川おせっかい長屋 綿を入れて、恋をほどいて』カバー裏の紹介文より抜粋・編集)

ここに注目!
棒手振りの魚売り・権助と、鳶職で火消しの玉造――「ごんたま」の迷コンビをはじめ、呉服屋「越前屋」の通い女中で、ごんたまの妹分、何事にも首を突っ込むお奈々。ごんたまの兄貴分で左官の源太郎。やんちゃな娘と油問屋の手代の夫を持つお美代一家。さらに、一人息子と酒問屋の番頭を夫に持つ元芸者のおふさ、元大奥女中で武家礼法指南をしているお政など、にぎやかでおせっかい自慢の面々が暮らすのが「深川おせっかい長屋」です。

今では絶滅の危機に瀕した「おせっかい」が、都会に暮らす現代人の琴線に触れ、凝り固まった心を優しくほぐしてくれる――そんな温もりに満ちた長屋人情小説です。
小さな幸せが詰まった、寒い日のこたつのようなぬくもりを感じさせてくれます。癖になる理由の一つが、ここにあります。

『深川おせっかい長屋』シリーズの魅力は、それだけではありません。
多くのエンターテインメント作品を手がけてきた著者らしく、本シリーズにはもう一つの大きな仕掛けが用意されています。

元大奥勤めのお政には、人に言えない裏の顔がありました。
それは、市中で町人と武家の癒着を探る、幕府大目付直轄の“忍策師(にんさくし)”という密命を帯びたお役目だったのです。

能天気で底抜けに明るい、そしておせっかい好きな住人ばかりの長屋で、お政はいかにしてそのお役目を果たしていくのでしょうか。

今回取り上げた本



書籍情報

深川おせっかい長屋 綿を入れて、恋をほどいて
喜多川侑
実業之日本社・実業之日本社文庫

カバーデザイン:菊池祐
カバーイラスト:笹井さゆり

2025年10月15日 初版第1刷発行

目次
第一話 綿入れ
第二話 髪結いと恋文と
第三話 裏者同士
第四話 いとしさとせつなさと勘違い

本文278ページ
本書は文庫書き下ろし

喜多川侑|時代小説ガイド
喜多川侑|きたがわゆう|時代小説・作家1953年生まれ。青山学院大学卒業。2013年、別名義で現代もの文庫書き下ろしを多数発表する。時代小説SHOW 投稿記事→喜多川侑の本(Amazonより)⇒時代小説作家リストへ戻る