環境保護活動家で作家のC・W・ニコルさんが、4月3日に直腸がんで逝去されました。享年79歳。
公式サイトのプロフィールによると、ニコルさんは、1940年、英国ウェールズ生まれ。17歳でカナダに渡り、その後、カナダ水産調査局北極生物研究所の技官として、海洋哺乳類の調査研究に当たりました。
1980年、長野県に居を定め、執筆活動を続けるとともに、1986年より、森の再生活動を実践するため、荒れ果てた里山を購入。その里山を『アファンの森』と名付け再生活動を始めるほか、公益的な活動をされてきました。
私事ですが、20年以上も前に仕事の関係でニコルさんにお会いしたことがありました。捕鯨について、訥々とした日本語ながら次第に熱く語っておられました。
その後、鯨刺しの青年・甚助の夢と野望、西洋との出会いを描いた幕末時代小説『勇魚(いさな)』を読み、ニコルさんの思いがこの作品に詰まっていることを知りました。
甚助のファミリーの物語は、『盟約』『遭敵海域』『特務艦隊』という戦時下を舞台にした物語へと続いています。
ニコルさんの多くの時代小説が絶版になって久しく、復刊を望みます。
謹んで故人のご冥福をお祈りします。
C.W.ニコル公式ホームページ|トップページ
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『勇魚 上』(文春文庫)
『勇魚 下』(文春文庫)
『盟約 上』(文春文庫)
『盟約 下』(文春文庫)
『遭敵海域』(文春文庫)
『特務艦隊』(文春文庫)
C・W・ニコル|時代小説ガイド
C・W・ニコル|作家・環境保護活動家1940年7月17日-2020年4月3日英国南ウェールズ生まれ。1980年、長野県に居を定め、執筆活動を続けるとともに、1986年より、森の再生活動を実践するため、荒れ果てた里山を購入。その里山を『アファ...