藩を牛耳る悪を退治せよ!そっくりを仕立てる「替え玉屋」

替え玉屋 慎三尾崎章(おざきしょう)さんの文庫書き下ろし時代小説、『替え玉屋 慎三(しんぞう)』(祥伝社文庫)を入手しました。

プロフィールによると、著者は現役ビジネスマンとして第一線で活躍するかたわら、別名義で経済小説を発表していて、本作が時代小説デビュー作だそうです。

「替え玉屋」とは、類まれな化粧の技術で人を別人に成りすませる、そっくりさんに仕立てる裏稼業です。

表向きは評判の髪結い。その裏稼業は、巧みな化粧で人を他人そっくりに仕立て上げ、機知と騙りで悪を退治する「替え玉屋」――お武家嫌いの町人慎三は、ある小藩の窮状を聞き、渋々腰を上げる。次席家老一派による米横流しの絡繰りを暴いて球団すべく、死んだはずの男の替え玉を国元に向かわせ……。慎三の仕掛ける二重三重の罠が悪を追いつめる。痛快時代小説!
(カバー裏の紹介文より)

信濃国の小藩、那奈原藩(架空)では、体調を崩した筆頭家老に代わり藩の財政を一手に握る実力者の次席家老、渕上新衛門が率いる〈体制派〉と、財政難に苦しむ藩を救おうとする〈改革派〉が暗闘していました。

渕上は、飢饉時に備える備蓄米を横流しして私腹を肥やしていました。〈体制派〉の藩士蔵前紳輔は、国元の藩主に渕上の不正行為を報告すべく帰国の途、中山道の鴻巣宿で、刺客に襲われ命を落としてしまいます。

江戸屋敷詰めの勘定方、田之上内蔵助は、両替商桔梗屋惣兵衛を通して、髪結いの慎三を紹介され、〈体制派〉をかく乱するため蔵前の「替え玉」を依頼します。
ところが、剣の使い手であった蔵前が殺されてしまい……。

「こうなったら、替え玉に本人になってもらうしかない」
「どういうことです?」
「蔵前は生きていた。そういう噂を流し、替え玉に国元に向かわせる。その間に、我々が備蓄米の横流しの証拠を掴む」
(『替え玉屋 慎三』P.52より)

田之上と同じ江戸屋敷の勘定方に勤める、〈改革派〉の若侍、久米春之助を、蔵前の「替え玉」に仕立てて、慎三と田之上らの逆襲が始まります。

●目次
序章
第一章 替え玉屋
第二章 〈木の葉〉の女
第三章 和田峠
第四章 米戦さ
第五章 直訴状
終章
解説 細谷正充

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『替え玉屋 慎三』 (尾崎章・祥伝社文庫)

尾崎章|時代小説リスト
尾崎章|おざきしょう|時代小説・作家 立教大学文学部卒。 2019年、『替え玉屋 慎三』で時代小説デビュー。 ■時代小説SHOW 投稿記事 amzn_assoc_ad_type ="responsive...