東大寺南大門の金剛力士像を手掛けた天才仏師・運慶の生涯を描く

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荒仏師 運慶梓澤要(あずさわかなめ)さんの長編時代小説、『荒仏師 運慶』(新潮文庫)を入手しました。

本書は、平安末・鎌倉前期に活躍した仏師、運慶の劇的な生涯を描いた本格歴史小説です。梓澤さんは2017年に本作品で、第23回中山義秀文学賞を受賞しました。

ひたすら彫る。彫るために生きる。それが仏師だ。全く新しい美を創造し、日本芸術史に屹立する天才運慶。その型破りな人生とは――。
少年の頃、「醜い顔」と嘲られた運慶は、女の姿態や鎌倉武士の強靭な肉体に美を見出していく。
快慶との確執、荒ぶる野心。棟梁として東大寺南大門の金剛力士像を完成させた絶頂期、病に倒れた。

梓澤さんは、井伊直虎を描いた『女にこそあれ次郎法師』をはじめ、歴史上の女性を主人公に据えた歴史時代小説を書かれてきています。
その後、宗教に強い関心を持たれ大学院で仏教学を学ばれ、傑作『捨ててこそ 空也』を発表されています。

美への飽くなき探求心、姿かたちなき仏たちを形ある見えるものにする仏師という仕事への情熱をどのように描いていくか、興味が尽きません。
天才仏師運慶を通して、平安から鎌倉へ激動する時代を活写する本書が楽しみです。

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『荒仏師 運慶』(梓澤要・新潮文庫)