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失踪した幼馴染みを追い、銚子湊へ向かう弥陀ノ介と市兵衛

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遠き潮騒 風の市兵衛辻堂魁(つじどうかい)さんの文庫書き下ろし時代小説、『遠き潮騒 風の市兵衛』(祥伝社文庫)を紹介します。

深川で干鰯〆粕問屋の下総屋の主が刺殺された。玄人の仕業と疑った北町奉行所同心・渋井鬼三次は、聞き込みから賊は銚子湊の男と睨み、奉行の許可を得て現地に急行した。
同じころ、唐木市兵衛は、友人の返弥陀ノ介の供で下総八日市場を目指していた。
三年半前に失踪した弥陀ノ介の幼馴染みの松山卓が目撃されたのだ。当時、銚子湊では幕領米の抜け荷が噂され、役人だった卓は忽然と姿を消していた……。

弥陀ノ介の幼馴染みで友人の松山卓(すぐる)は、下総・銚子湊で東北天領より運ばれてくる年貢米を利根川舟運へ廻漕する事務取扱を管掌する勘定所の《務場(つとめば)》に赴任していました。
三年半前に銚子湊の南にある、屏風ヶ浦の断崖で目撃されたのを最後に姿を消しています。

物語では屏風ヶ浦の西に位置する八日市場は市が開かれる繁華な場所として描かれ、九十九里の鰯漁の豊漁ぶりや飯沼観音(飯沼山圓福寺)など銚子湊の情景に、旅愁を誘われます。
銚子湊と八日市場の間に飯岡村がありますが、売り出し中の博徒として、飯岡の助五郎も登場します。

市兵衛と弥陀ノ介の最強コンビが、湊に巣食う悪に立ち向かうシーンが圧巻。胸のすく活躍ぶりを見せます。

本書は125万部突破の大人気シリーズの19巻。辻堂さんの作家生活10周年を記念して、シリーズ20巻の『架け橋 風の市兵衛』と同時刊行になっています。
作家生活10周年キャンペーンとして、『遠き潮騒』と『架け橋』の2冊を購入された読者を対象に、「市兵衛をイメージした本染めオリジナル和手ぬぐい」や「風の市兵衛シリーズのカバー画を集めた限定ポストカードセット(20枚入り)のプレゼントもあります。(締切:2017年9月30日)

九十九里浜と屏風ケ浜の鰯漁が登場する時代小説では、水田勁(みずたけい)さんの『海よ かもめよ 紀之屋玉吉残夢録(三)』(双葉文庫)も痛快で、面白かったです。

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『遠き潮騒 風の市兵衛』(19巻)
『架け橋 風の市兵衛』(20巻)

『海よ かもめよ 紀之屋玉吉残夢録(三)』(水田勁・双葉文庫・Kindle版)