麻倉一矢(あさくらかずや)さんの文庫書き下ろし時代小説、『刀剣屋真田清四郎 狐切り村正』が宝島社文庫より刊行されました。
大坂夏の陣後、伊達家重臣の片倉小十郎に引き取られて匿われた真田幸村の次男・守信の末裔、真田信広。幸村の形見の脇差「狐切り村正」を持つことがその証である。幸村の血が幕府にばれないよう、滋野清四郎と名を偽り伊達藩で刀奉行を務めていたが、幕府の密偵に正体がばれ出奔。江戸で刀剣屋の山城屋忠兵衛と知り合い、刀の知識を活かして、店を手伝うことになる。幕府に命を狙われながらも、清四郎は刀にまつわる事件を解決していく。
麻倉さんはこれまで機会がなくて作品を紹介できなかったですが、「剣客大名 柳生俊平」や「やさぐれ大納言 徳川宗睦」などの文庫書き下ろしシリーズをもつ、ベテランの時代小説家です。無外流の流祖・辻月旦(兵内)など剣客を主人公にした作品も多い著者が、今回の主人公に据えたのが真田幸村の末裔で刀の目利き・滋野清四郎こと真田信広。
時代は田沼意次が幕府の実権を握っていた明和七年(1770)。伝奇色もありチャンバラシーンも楽しめ、日本刀の薀蓄も増やせる時代小説です。
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『刀剣屋真田清四郎 狐切り村正』
『やさぐれ大納言 徳川宗睦』
『剣客大名 柳生俊平 将軍の影目付』