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『蒼火』と『夏の椿』-北重人さんの訃報を知り…

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旅行中に読んだ地方紙で、北重人さんの訃報に触れてショックを受けた。8月26日、胃がんのため死去。61歳だった。

北さんは、『夏の椿』で本格デビューし、『蒼火』では第9回(2007年)大藪春彦賞を受賞され、『汐のなごり』で140回(2009年)直木賞候補になり、確固たるステップを歩まれてきた、期待の時代小説作家の一人である。結末まで一気に読ませる物語展開、プロットの巧みさ、文学性豊かな端正な文体で、質のエンターテインメント時代小説を発表している。

夏の椿 (文春文庫)

夏の椿 (文春文庫)

蒼火 (文春文庫)

蒼火 (文春文庫)

汐のなごり

汐のなごり

都市計画のコンサルタント業務のかたわら、執筆をされていたこともあり、寡作ではあるが、一作一作の質は高くて、次回作が待ち遠しかっただけに、その短い作家人生が惜しまれてならない。後に残された作品とともに、北重人さんのことはずっと記憶に残るだろう。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。