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落語好きにおすすめの時代小説

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六道慧さんの『千両花』を読んだ。『明烏』に続く、「いろは双六屋」シリーズの第二弾である。笑いで江戸の世直しをキャッチフレーズに行動する伊之助、浜吉、禄太郎の「いろは世直し組」。

いろは双六屋 明烏 (徳間文庫)

いろは双六屋 明烏 (徳間文庫)

口入屋の伊之助のもとには、旗本家に世話した正助が骸骨のように痩せ細った異様な姿で運び込まれた。一方、噺家を目指す幇間の浜吉は、旗本の若君が取り巻きを引き連れてかぶき者まがいに練り歩く「荊組」のお抱えの幇間となる。盆栽いじりが趣味の同心の禄太郎は、屋敷内で野菜を作ることを反対されて大きく落ち込んでいた…。

三者三様の三題話のような発端に、盗賊がお寺から盗んだ掛軸を頭の手から奪い取って逃げた男が絡み物語は展開する。今回も、浜吉の師匠の噺家の極楽亭有楽が『王子の狐』などの名人級の落し咄を披露することで、事件解決の大きな力になったり、浜吉の拙い小咄が旗本の若君に大受けしたり、と落語ファンには楽しみな趣向がいっぱいである。

私は落語の門外漢だが、それなりに笑えて、楽しめるシリーズだ。