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江戸・鎌倉河岸の若者たちの冒険

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佐伯泰英さんの『埋みの棘』を読んでいる。今回は、政次、亮吉、彦四郎の三人が十一年前の少年時代に遭遇した事件が題材になっている。シリーズを通して、三人のキャラクターがしっかり描かれているので、どんな少年だったか容易に想像がつく。理知的で沈着冷静な政次、お調子者の亮吉、仲間思いで温和な彦四郎といったところだろうか。

同時刊行の『「鎌倉河岸捕物控」読本』には、三人の少年時代を描いた「寛政元年の水遊び」という書き下ろし短篇を収録していて、ファンの期待にこたえているようだ。

「鎌倉河岸捕物控」読本 (時代小説文庫)

「鎌倉河岸捕物控」読本 (時代小説文庫)

そういえば、2冊の表紙カバーの装画を見ていると、三人の少年時代と今が対比できて面白い。そういえば、三人がそろって描かれた表紙も、シリーズではじめてかも。

金座裏の政次は、ある日奉行所の内与力より呼び出しを受け、水戸藩の老中澤潟との関わりを尋ねられた。澤潟の名には覚えがなかったものの、政次と亮吉、彦四郎には、十一年前の藩士との出来事が思い出された……。

表紙カバーの裏に書かれた作品紹介の文を読んでいて、「水戸藩の老中」という箇所に違和感を感じた。藩なら家老ではと思ったが、水戸藩には「老中」という職名があるようだ。領内支配をする郡方、郡奉行を取り締まる職掌で、家老職の一人だという。へえー。