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「居眠り磐音」シリーズ200万部突破

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昨日(3月18日)の朝日新聞朝刊の全面広告で、佐伯泰英さんと俳優の児玉清さんの対談が載っていた。双葉文庫から出ている「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズ(15作、4年間)が累計で200万部を突破した記念に実現したものである。

児玉さんは、NHK衛星の「週刊ブックレビュー」の司会で活躍されたり、北原亞以子さんの「慶次郎縁側日記」などの解説も担当されたりする、読書の達人として定評ある方で、時代小説にも造詣が深い。その児玉さんが対談の中で、以下のように「居眠り磐音」シリーズの魅力を語っておられたのが印象的だ。

形式にとらわれず何が一番大事かを即座に見抜き、行動する磐音の姿は実に痛快無比ですね。(中略)また、物語に登場する女性たちも、生きるための知恵を心得ていて、控えめながら眩しさがある。さらに、磐音を取り巻く人たちは、それぞれが生きる哲学を持った個性的で魅力的な人ばかり。登場人物たちが日本人の心を読者に伝えてくれる。現代人必読の物語だと言えますね。

豊後関前藩(架空)の重臣の息子坂崎磐音は、藩内騒動がもとで親友を失い許婚と別れて藩を離れ、江戸深川六間堀で浪々の日々を送る。直心影流の剣の達人ながら、剣に頼らず日々の生活のために地道な鰻割きの仕事に精を出す。その磐音が許されぬ悪を討つのがシリーズの特徴。

佐伯さんの時代小説の主人公たちは、「密命」シリーズの金杉惣三郎にしろ、「酔いどれ小籐次」の赤目小籐次にしろ、剣のほかに、生計を立てる仕事を持っていて、生活感を持っているために、われわれが感情移入しやすくなるのかもしれない。

そして、第16巻『螢火ノ宿』と第17巻『紅椿ノ谷』の2巻が同時発売された。書き下ろしでシリーズの2作が同時に発行されることはレアなケースだ。もともと、筆の速さで知られる佐伯さんだが、その中でも「居眠り磐音」シリーズはもっとも執筆のスピードが速いように思う。きっと、いちばん書いていて楽しいシリーズなのだろう。ともかく、今月は最新巻2巻読めるのが何よりも楽しみだ。

螢火ノ宿 ─ 居眠り磐音江戸双紙 16 (双葉文庫)

螢火ノ宿 ─ 居眠り磐音江戸双紙 16 (双葉文庫)

紅椿ノ谷 ─ 居眠り磐音江戸双紙 17 (双葉文庫)

紅椿ノ谷 ─ 居眠り磐音江戸双紙 17 (双葉文庫)

居眠り磐音シリーズの既刊

第1巻「陽炎ノ辻 ─ 居眠り磐音江戸双紙 1 (双葉文庫)

第2巻「寒雷ノ坂─ 居眠り磐音江戸双紙 2 (双葉文庫)

第3巻「花芒ノ海 ─ 居眠り磐音江戸双紙 3 (双葉文庫)

第4巻「雪華ノ里 ─ 居眠り磐音江戸双紙 4 (双葉文庫)

第5巻「龍天ノ門 ─ 居眠り磐音江戸双紙 5 (双葉文庫)

第6巻「雨降ノ山 ─ 居眠り磐音江戸双紙 6 (双葉文庫)

第7巻「狐火ノ杜 ─ 居眠り磐音江戸双紙 7 (双葉文庫)

第8巻「朔風ノ岸 ─ 居眠り磐音江戸双紙 8 (双葉文庫)

第9巻「遠霞ノ峠 ─ 居眠り磐音江戸双紙 9 (双葉文庫)

第10巻「朝虹ノ島 ─ 居眠り磐音江戸双紙 10 (双葉文庫)

第11巻「無月ノ橋 ─ 居眠り磐音江戸双紙 11 (双葉文庫)

第12巻「探梅ノ家 ─ 居眠り磐音江戸双紙 12 (双葉文庫)

第13巻「残花ノ庭 ─ 居眠り磐音江戸双紙 13 (双葉文庫)

第14巻「夏燕ノ道 ─ 居眠り磐音江戸双紙 14 (双葉文庫)

第15巻「驟雨ノ町 ─ 居眠り磐音江戸双紙 15 (双葉文庫)