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徳川歴代将軍の死因

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医術をモチーフとした時代小説で知られる篠田達明さんの『徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)』を入手する。胃がん、胃がん、脳卒中、未詳、はしか、インフルエンザ、急性肺炎、脳卒中、尿路障害、脚気衝心、急性腹症、暑気当たり、脚気衝心、脚気衝心、急性肺炎。帯に初代家康から十五代慶喜までの死因が記されていて、つい興味を引いてしまう。

もっとも多い死因が「脚気衝心(かっけしょうしん)」だという。脚気で死にいたるのかと、気になり本文の該当ページを繰る。現在は、脚気はビタミンB1の欠乏によって起こることが知られている。ビタミンB1は米ぬかや玄米などに含まれていたが、十代将軍家治の頃には、江戸城台所では、ぬかを落とした味のよい精白米を常食とするようになっていた。脚気は、ビタミンB1の消耗が著しい夏場に発症することが多いという。

整形外科の医師でもある著者ならではの視点、歴代将軍の死因を最新医学で診断するという試みが面白そう。

脚気というと、『大江戸仙境録 (講談社文庫)』で、東京から百六十余年前の文政時代の江戸へタイムスリップした科学評論家の速見洋介が江、現代知識をもとに脚気を治すシーンが思い出される。

大江戸仙境録 (講談社文庫)

大江戸仙境録 (講談社文庫)