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御書物同心日記 (虫姫) (1)

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大好きなシリーズの一つに、出久根達郎さんの「御書物同心日記」シリーズがある。その第三弾『御書物同心日記 虫姫 (講談社文庫)』が文庫になって登場した。売れっ子作家のかたわら、古書店主を務める出久根さんらしい、本に対する愛情にあふれていて、読んでいて気持ちよい時代小説だ。

主人公の東雲丈太郎(しののめじょうたろう)は、将軍家の蔵書を管理する役所、江戸城内。紅葉山文庫で働く、御書物同心である。いわば将軍専用の図書館の司書といった立場だろうか。

著者はあとがきで、「御書物同心たちの生き甲斐って何だったのだろう、と小説を書きながら、いつも考えてしまう」と疑問を投げかけている。書物を扱う役所だからといって、必ずしも、丈太郎のように本好きの者ばかり集まっているとは限らない。しかも、将軍家によって本を借り出されたりすることはほとんどなく、虫干しなり修復なりが主な仕事になるわけだから。もちろん、そこは小説だから、とんでもない事件が起こることにはなるが…。

御書物同心日記 虫姫 (講談社文庫)

御書物同心日記 虫姫 (講談社文庫)

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