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乱雲―密命・傀儡剣合わせ鏡(2)

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「密命」シリーズの第12弾、『乱雲―密命・傀儡剣合わせ鏡〈巻之十二〉 (祥伝社文庫)』を読了した。シリーズの主人公が金杉惣三郎から、息子の清之助にバトンタッチされた記念碑となる作品。回国修行中の金杉清之助は、将軍吉宗のお膝元紀州和歌山で、田宮流の居合道場に身を寄せていた。吉宗憎しの尾張勢に、「吉宗の密偵」との誤解を受けた清之助は、刺客団に襲われる…。

密命―見参!寒月霞斬り (ノン・ポシェット)」で、最初に佐伯泰英さんの時代小説に出合ったとき、とても読み味がよく面白く感じられた。その後、多くのヒットシリーズを作られたが、佐伯さんにとって、「密命」シリーズは中でももっとも大切なものの一つのように思われる。シリーズを楽しむための『「密命」読本』もぜひ、読んでみたいところだ。

シリーズもので、主人公を親から子へスムーズに引き継いでくれるのは、ファンにとってうれしい限りだ。父と子というと、池波正太郎さんの『剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)』がまず思い浮かぶ。味わいは別だが、「密命」シリーズもファミリーの楽しさがよく出ている。

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