「味と技の大江戸展」3月10日より日本橋三越本店で開催

東都のれん会の老舗が一堂に会する「味と技の大江戸展」が3月10日(水)~15日(月)、日本橋三越本店で開催されます。豊島屋本店さんからご案内をいただきました。ここ数年、毎年楽しみにしているイベントで、江戸の味、伝統の技に出合えます。

http://www.norenkai.net/

文芸評論家寺田博さん、死去

帰宅して、朝日新聞の朝刊に眼を通したら、文芸評論家の寺田博さんの訃報が掲載されていた。寺田さんは、文芸誌の「海燕」の創刊時の編集長として、よしもとばななさんや島田雅彦さん、小川洋子さんらを世に送り出したことで知られています。

純文学のイメージが濃いかもしれませんが、『百冊の時代小説』や『時代小説の勘どころ』などの著書があり、時代小説ガイドの大先輩です。






『掘割で笑う女 浪人左門あなかし指南』

輪渡颯介(わたりそうすけ)さんの『掘割で笑う女 浪人左門あやかし』を読了しました。第38回メフィスト賞受賞作で、「時代小説+怪談+ミステリ」の3つの要素が融合した作品に仕上がっています。

主要な登場人物の一人、剣術遣いの苅谷甚十郎と同様に、怪談やホラーは大の苦手な私ですが、酔いどれで腕が立つ浪人・平松左門の痛快なキャラクターの魅力にも助けられて、大いに楽しめました。

■ 神田松永町の長屋に住む浪人・平松左門は、剣の腕も立つが大の酒好きでいつもよ酔いどれていた。酒よりも好きなものは怪談話。左門が雇われ師範を務めていた道場に通っていた苅谷甚十郎も剣の腕は飛び切りだが、臆病者で怪談話が苦手だった。その甚十郎の国許で、十年前に家老が闇討ちされた。当時、「女の幽霊を見た者は死ぬ」という噂話が流行っていた。そして、再び家老の闇討ちが起こり、甚十郎が事件に巻き込まれることに…。

「狸だと思います。狐狸が人を化かす時の様子がそうだと聞いたことがあります。あの辺りは狸が多いと聞いていますので狸でしょう」
(『掘割で笑う女』P.213より)


♪ 世の中の珍談奇談、怪談話を集めて回り、怪奇現象を合理的にとらえる左門と、国許で幽霊を実際に見て、怪異現象を狸のせいにする甚十郎の推理の対比ぶりが面白かった。3月に発売になるという、2作目も読みたいと思いました。

「掘割」の「掘」は「堀」の字ではなかった。要注意!!

●データ
カバーデザイン:松 昭教
カバー装画:おおさわ ゆう
解説:末國善己
第1刷:2010年1月15日
344ページ
648円+税
時代:明記されず
場所:国許(とある小藩)、江戸・神田松永町、堀江町、押上村、深川・平清
おすすめ度:★★★★☆

WordPressデビュー

WebサイトをWordPressベースへ移行するべく、この週末から作業を開始しました。今回、移行する狙いは、現在のXOOPSベースのものが使いづらくなってきたこと、更新のストレスが大きくなってきたことで、より快適な環境を求めてのものです。

MovableTypeも検討して試してみたのですが、無償であり拡張性もあることでWordPressを試してみることにしました。しばらくの間、表示などで不具合があるかと思いますが、何卒ご了承ください。

池波正太郎真田太平記館を訪れて

池波正太郎真田太平記館にてこの夏の終わりに、信州上田と松代(まつしろ)を訪ねた。いずれも真田家ゆかりの場所である。旅のきっかけは、5月に観た「池波正太郎の世界展」(世田谷文学館、2004年4月24日~6月13日開催)だ。久々に池波ワールドを満喫した後、ここはやはり池波正太郎真田太平記館(長野県上田市)も行かねばと思っていたところ、松代(長野市)で「エコール・ド・まつしろ」という観光客向けのイベントが行われることを知り、これはチャンスと8月の終わりに1泊2日で旅に出た。

上田は、真田昌幸が上田城を築城した場所で、上州の沼田と並んで、戦国時代の真田家の領地である。江戸時代になると真田信之が松代に転封され、仙石氏続いて松平氏の領地となっている。とはいえ、上田は池波さんの大長編『真田太平記』の主舞台である。北国街道沿いの柳町のあたりは、城下町のたたずまいを色濃く残していて、なかなか風情があった。上田藩主屋形跡は上田高校の一部として使われていて、こんなところへ通える高校生が少しうらやましくなった。また、上田城は、3つの櫓を遺して公園となっていて、市立博物館も充実し、江戸時代の空気を感じることができた。メインの池波正太郎真田太平記館へは、上田駅から徒歩10分だが、上田藩主屋形跡→上田城→柳町の順で巡ってきた。建物は2階建てで、1階は喫茶とグッズや書籍の販売コーナー、『真田太平記』に登場する「草の者」の世界が映像でわかる忍忍洞などで、2階が真田太平記コーナーと池波正太郎コーナーに分かれて展示されていた。蔵を利用したギャラリーとシアターもあり、ファンはたっぷり楽しめる。実は『真田太平記』は十年ほど前に、一度読んだきりなので、ストーリーを結構忘れていたので、この展示を観ていろいろと思い出し、夢中で読んだころのことが少しよみがえってきた。真田幸村、信之、お江、佐助…、物語の主人公が頭の中で縦横無尽に活躍をし始めた。NHKでもかつて1年間にわたってドラマが放映されたが、ぜひ、再放送してもらいたいな。池波さんには『真田太平記』以外にも、初の長編時代小説の『真田騒動』や直木賞を受賞した『錯乱』など、真田家関連の作品が実に多いことを展示を観てあらためて思った。そして、その多くをまだ読んでいないことにも。この秋は、池波さんの真田家関連本を読んでみよう。刀屋の真田そば池波正太郎真田太平記館の後、池波さんも食べたといわれる上田のそば屋「刀屋」で、名物の真田そばを食す。みそになめこ・削り節が入ったものをだし汁とつゆで溶いてつくるつけだれに太目の麺をつけて食べるものだ。もり加減が大・普通・中・小に分かれていて、中でもほかの店の大もりにあたるボリューム。お腹を満腹にさて、『真田太平記』の信之のように、上田に別れをつげて、松代に向かった…。

(2004.8.27・理流)