時代小説 文庫新刊情報
2017年10月の新刊 上(1日→10日)
更新日:2017/10/20
2017年10月1日から10月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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2015年11月に亡くなられた、宇江佐真理さんの時代小説2タイトルが文庫化されます。
実業之日本社文庫からは、『為吉 北町奉行所ものがたり』が出ます。
幼いころに両親を押し込み強盗に殺され、長じて北町奉行所付きの中間となった為吉を主人公に、与力、同心、岡っ引き、その家族、と奉行所を取り巻く人間模様を描いた感動長編です。
朝日文庫から刊行される、『うめ婆行状記』は、朝日新聞に連載された遺作にして最後の長編時代小説です。
また、文芸評論家の細谷正充さんがセレクションされた、『朝日文庫時代小説アンソロジー 人情・市井編 情に泣く』にも、宇江佐さんの短編が収録されていて、著者を偲ぶ機会にもなります。
今月の徳間文庫の新刊も注目です。
青山文平さんの武家小説『鬼はもとより』が刊行されます。
第152回直木賞候補作となった出世作の待望の文庫化。この後、『つまをめとらば』で第154回直木賞を受賞されています。
上田秀人さんの『混乱 禁裏付雅帳五』も楽しみです。
徐々に激しさを増す朝廷の抵抗、結果を急ぐ幕府からの圧力。二大権力の暗闘の狭間で、かつてない危機が禁裏付として公家を監察する東城鷹矢を襲います!
宝島社文庫からは、山本巧次さんの『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 北斎に聞いてみろ』が刊行。
江戸時代と現代で二重生活を送る元OLの関口優佳は、新たにオープンする美術館の目玉のひとつ、葛飾北斎の肉筆画の贋作疑惑を調査するために、江戸へ向かいます。
文春文庫の新刊も大充実。
葉室麟さんの『影踏み鬼 新撰組篠原泰之進日録』。
加藤廣さんの『利休の闇』。
杉本章子さんの『起き姫 口入れ屋のおんな』。
杉本さんも宇江佐さんと同じころ(2015年12月)に亡くなられ、本書は最晩年の作品の文庫化です。
また、文芸評論家の大矢博子さんの『歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド』は、面白い時代小説を読みたい方・探している方におすすめのガイドブックです。
幻冬舎時代小説文庫の新刊、『秘め事おたつ 細雨』は、書き下ろし時代小説の名手・藤原緋沙子さんの待望の新シリーズです。
2017/10/10追記
コスミック時代小説文庫より、誉田龍一さんの『隼人始末剣 最強の本所与力』が刊行されます。
大川以東の区域を取り締まる特殊な与力、本所方与力が活躍する新シリーズです。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし