時代小説・お気楽極読破録

おすすめ度(100点満点):★ひとつは20点、☆ひとつは5点。

昨日の恋 爽太捕物帳 ★★★☆
(北原亞以子・毎日新聞社・1500円・95/04/25)
購入日:5月3日/読破日:5月5日

●芝露月町の鰻屋「十三川」の養子爽太は、十手を預かる岡っ引。若さに似合わぬ苦労人である爽太が、下町に住む男女のからむ事件を粋にさばいていく。下手人はすべて捕まえて牢へ送るとういうわけだけではない、結末が温かい。結婚詐欺の男とカモを装って逆に男を騙す女が丁々発止やりあう「残り火」の見事さ。紅と白粉の小道具としての使い方が女流作家ならではといったところか。


きまぐれ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ ★★☆☆
(都筑道夫・光文社文庫・520円・96/04/20)
購入日:4月28日/読破日:5月3日

●江戸神田橋本町・なめくじ長屋に住む砂絵かきのセンセーが長屋の大道芸人たちを手足に、鋭い推理で難事件を見事に解決する。今回は、「長屋の花見」「舟徳」「高田の馬場」「野ざらし」など、すべて落語に題材をとり、その筋立てをなぞりながら推理ミステリーに仕上げている。
10数年ぶりで、都筑(つづき)氏の作品を読んだ。その当時、角川文庫で30数作が発行され、その片っ端から読み飛ばしたことを思い出した。


公事宿事件書留帳(三) 拷問蔵 ★★★☆☆
(澤田ふじ子・廣済堂出版・550円・96/05/11)
購入日:4月28日/読破日:4月30日

テレビ朝日系にて『大江戸弁護人走る!』のタイトルで放映中で、今注目のシリーズ3作目。京の公事宿「鯉屋」の居候・田村菊太郎が、難事件を鋭い洞察力と行動力で次々裁いていく連作。
●雅た色香を漂わす初老の女と二人の美しい娘にたぶらかされる男たちの悲劇を描く「京の女狐」。「お岩の最期」は金貸し老女の話。人に<烏金>を貸して稼ぐお岩が、実は大枚の金子を喜捨して孤児たちを養っていた…冬の京を舞台にした逸品。
公事宿事件書留帳・ 既刊:
「(一)闇の掟」(公事宿仲間が殺された!闇の掟とは)★
「(二)木戸の椿」(数百両の価値がある古布をめぐる幼女かどわかしの真相は?)★
★は文庫あり。


はやぶさ新八御用帳(七) 寒椿の寺 ★★★☆☆
(平岩弓枝・講談社・1500円・96/04/10)
購入日:4月28日/読破日:4月29日

シリーズ7作目ということで、登場人物たちが馴染み、分(キャラクター)をわきまえて活躍する姿が快く読後感が○。「出刃打ち花蝶」では上州・板鼻宿へ出張り、かちかち山に遭い危機一髪。「青山百人町の傘」は、すぐにでも舞台にかけられそうつくりだ。平岩弓枝というとTBSのドラマの人って感じが強いが、そこで培った構成力と主要人物の活かし方がうまい。なかでもお鯉のキャラクターがいい。
はやぶさ新八御用帳・ 既刊:
「(一)大奥の恋人」(お鯉大奥に密偵として潜入!)★
「(二)江戸の海賊」(新八の妻、郁江海賊に拉致される)★
「(三)又右衛門の女房」(お鯉と宿命の再会)★
「(四)鬼勘の娘」(踊りの名手・小かんのお初登場)★
「(五)御守殿おたき」(女賊お滝の七変化に新八翻弄される)
「(六)春月の雛」(雛人形に魅入られて、二人の女が死んだ…)
★は文庫あり。