|
2001年12月・師走の巻 |
|
幕末浪漫剣 (ばくまつろうまんけん)
鳥羽亮
カバー装画:西のぼる |
♪勝海舟の父・勝小吉らと道場破りを繰り返す千葉周作門下の剣の遣い手・柘植恭之助が活躍する、幕末を舞台にした剣豪小説。明朗で爽快感がある作品。神道無念流撃剣館で当代随一の腕と恐れられる秋山要助が、柘植恭之助のライバルとして登場しているのが興味深い。二人の剣の立ち会いが凄い。 柘植恭之介と勝小吉が介入する、伊勢の小藩・尾島藩のお家騒動をめぐる闘いが読みどころ。傀儡組などの異能の集団も登場し、伝奇ファンにも楽しめる。 物語●柘植恭之介は、柳原通りで、五人の若侍と喧嘩する勝小吉を見かけ、助太刀することになり、親交を結ぶことになった。柘植恭之介は、「お玉ヶ池の鬼柘植」と呼ばれる千葉周作門下の剣の逸材。一方、勝小吉は勝海舟の父で、直心影流の団野真帆斎の門に入り、十八歳で免許を取っている。腕も確かだったが、遊蕩無頼な男で道場破りや喧嘩三昧に明け暮れ、凄味のある剣技を身につけていた。この二人が組んで、道場を開くことを夢見た…。 目次■第一章 出会い/第二章 道場破り/第三章 大道芸人の群れ/第四章 剣鬼啾々/第五章 二人の女/第六章 決戦/第七章 余燼/解説 井家上隆幸 ここから始まる本のリンク▼ 『天保剣鬼伝 首売り』(鳥羽亮著・幻冬舎文庫) |
|
覇王の海 海将九鬼嘉隆 (はおうのうみ・かいしょうくきよしたか)
二宮隆雄
絵:九鬼公釜山海船柵之図 |
♪伊勢・志摩地方に旅行することになり、この本が読みたくなった。九鬼嘉隆というと、白石一郎さんの『戦鬼たちの海』も思い出される。織田信長のもとで、水軍の将として活躍する九鬼嘉隆、その半生を海洋時代小説の名手がダイナミックに描いている。 近江国国友村の鉄砲鍛冶に長鉄砲を戦船に搭載したり、巨大鉄張り軍船で、三万五千石の大名にのしあがる信長時代の嘉隆。朝鮮出兵の蹉跌を経験する秀吉時代の嘉隆。関ヶ原の合戦に最後の勝負にでる家康時代の嘉隆。嘉隆を通して、戦国という時代が鮮やかに切り取られた快作。 物語●伊勢海を、九鬼水軍の戦船「竜神丸」が長い櫓先をうねりにたわませ、力強く波を切っていく。戦船の舳先には、海賊用の煉革胴具足を身につけた若者・九鬼嘉隆が仁王立ちしていた。波切大王の海城を志摩地頭軍に追われての敗走である。生まれ故郷の志摩国を逃げ捨てた嘉隆は、伊勢海をへだてた尾張国の当主―三十一歳の織田信長のもとに走るのだった…。 目次■第一章 志摩海賊衆/第二章 熱田の杜/第三章 小牧山城/第四章 長鉄砲/第五章 織田水軍/第六章 女長者/第七章 志摩平定/第八章 鉄張り軍船/第九章 海王丸/第十章 日本丸/第十一章 船出/解説 井家上隆幸 ここから始まる本のリンク▼『戦鬼たちの海 織田水軍の将・九鬼嘉隆』(白石一郎著・文春文庫) |
|
刺客、江戸城に消ゆ (しかく、えどじょうにきえゆ)
風野真知雄
カバーイラスト:毛利彰 |
♪八代将軍吉宗時代を舞台に、お庭番と同心伊賀衆の抗争を描く、伝奇小説。伊賀・赤目出身の若者・コノハズクの魅力が圧倒的。伊賀の四天王との対決や、江戸城内でのサバイバル術など興味深い。
物語●大事な任務はお庭番に奪われ、大奥の警備をする伊賀同心たちは、無用の物として女たちにも馬鹿にされていた。このていたらくぶりを憤り、四人の伊賀者(水の伊平、屋根の余四郎、手裏剣儀助、走りの喜三太)は、伊賀者の価値を知らしめる秘策を練り上げた。 目次■なし |