新・極楽の読書録
2000年6月・水無月の巻

陸奥黄金街道 小説金売り吉次 by 三好京三
つむじ風お駒事件帖 疾風独楽 by 柏田道夫
柳影 by 多田容子
異風者 by 佐伯泰英
おんな風水師 乱れ色方陣 by えとう乱星
孤剣は折れず by 柴田錬三郎
損料屋喜八郎始末控え by 山本一力
孤剣 用心棒日月抄 by 藤沢周平
密室大坂城 by 安部龍太郎



おすすめ度(100点満点):★ひとつは20点、☆ひとつは5点。

密室大坂城
(みっしつおおさかじょう)

安部龍太郎
(あべりゅうたろう)
[戦国]
★★★☆☆

カバーデザイン:鈴木一誌
解説:島内景二
時代:慶長十九年(1614)六月
場所:大坂城、住之江ほか
(講談社文庫・552円・00/06/15第1刷・305P)
購入日:00/06/14
読破日:00/06/25

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密室大坂城 『太閤の城』に続き、大坂城攻防戦を描く、安部さんの戦国時代小説。マザコンで優柔不断、軟弱なイメージの強かったステレオタイプを打ち破る新しい秀頼像が面白い。隆慶一郎作品の武将のような男気、爽快さを見せてくれて気持ちがいい。

物語●〈我ハ少シマドロミテ、其後切腹スベシト曰ヒテ、小姓ノ膝ヲ枕トシテ、大鼾カイテシヅマリ給フ〉
秀頼の最期の様子を伝える『豊内記』はそう記している。とかく軟弱な男と評されがちな秀頼だが、死を目前にしても高いびきで眠るだけの豪胆さを具えていたのである。
慶長十九年六月、闇の中を一本の朱色の柄の矢が音もなく飛び、御座の間の板壁に突き立った。矢の根元には細く折りたたんだ文がしっかりと結びつけてあった。矢文を読んだ秀頼は、そこに淀殿の文字を見つけた。何者かが厳重に収められていた淀殿の日記を盗み出したのであった…。

目次■序章 我ハ少シマドロミテ/第一章 朱柄の矢文/第二章 鐘銘問題/第三章 二人の使者/第四章 且元退去/第五章 籠城仕度/第六章 決戦開始/第七章 大坂方優勢/第八章 密室崩壊/終章 死者の涙/解説 島内景二

ここから始まる本のリンク▼『太閤の城』(安部龍太郎著・PHP文庫)

孤剣 用心棒日月抄
(こけん・ようじんぼうじつげつしょう)

藤沢周平
(ふじさわしゅうへい)
[武家]
★★★★☆ [再読]

カバー:村上豊
デザイン:新潮社装幀室
解説:向井敏
時代:元禄十六年(1703)
場所:源介町、神田橋本町、四ツ谷御門外、六間堀、諏訪町、箔屋町、牛込北、三笠町ほか
(新潮文庫・552円・84/11/15第1刷・99/09/25第40刷・392P)
購入日:00/06/11
読破日:00/06/20

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孤剣 用心棒日月抄 藩の政争に巻き込まれ、人を斬り国を出奔し、江戸で用心棒稼業を務める青江又八郎が活躍する『用心棒日月抄(ようじんぼうじつげつしょう)』。無事帰藩を果たしたと思いきや、その後3カ月余りで、またも脱藩する羽目に。上司の命令ひとつで嫌な役目を押し付けられたり、辞令ひとつで転勤や出向を命じられるサラリーマンの身につまされるような展開だ。
シリーズ第2作目では、おなじみの用心棒仲間の細谷源太夫、口入れ屋の相模屋吉蔵に、愛妻家の痩せ浪人・米坂八内が加わる。また、前作でチラッと登場し、気になる存在だった女忍び佐知と敵役・大富静馬が今回はメインに据えられる。赤穂事件の異聞ともいうべき、前作に比べ、シンプルな構成になっただけに、青江のヒーロー像がよりはっきり前面に出ているように思われる。

物語●青江又八郎は帰藩を果たしたが、藩にはまだ政争の火種が残っていた。執政の中心にいた大富家老は、政敵の間宮中老に陰謀を嗅ぎつけられて、処断されたが、大富の企てに加わった一味の連判状と、手紙類、日記は家老の縁者で東軍流の遣い手である大富静馬によって持ち去られたという。そこで、間宮中老は、又八郎に脱藩して公儀隠密と大富派の眼を欺き、静馬を捜し出して持ち去ったものを密かに取り返すように、命を与えた…。

目次■剣鬼/恫し文/誘拐/凶盗/奇妙な罠/凩の用心棒/債鬼/春のわかれ/解説 向井敏

ここから始まる本のリンク▼『刺客 用心棒日月抄』(藤沢周平著・新潮文庫)、『闇の傀儡師 上・下』(藤沢周平著・文春文庫)

損料屋喜八郎始末控え
(そんりょうやきはちろうしまつひかえ)

山本一力
(やまもといちりき)
[痛快]
★★★★☆☆

装画:歌川芳幾「茲三題噺集会」(個人蔵)
装丁:多田和博
時代:天明八年(1788)8月
場所:深川富岡八幡、新旅篭町、柳橋、猿屋町、蓬莱橋、冬木町、平野町、今戸町ほか
(文藝春秋・1,571円・00/06/10第1刷・312P)
購入日:00/06/10
読破日:00/06/17

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損料屋喜八郎始末控え 『蒼龍』で1997年に第77回オール讀物新人賞受賞の山本一力(やまもといちりき)さんの初の単行本。山本さんからはメールやはがきをいただき、刊行が待望されていた作品。損料屋(そんりょうや)とは、夏の蚊帳、冬の炬燵などの季節ものから鍋、釜、布団までを賃貸しする、今で言えば、レンタルショップ。
主人公の喜八郎は、損料屋の主人といっても、まだ三十前で、前身は北町奉行所の蔵米方与力・秋山久蔵配下の同心。何やらいわくがありそうなキャラクター設定がうまい。ちょうどバブル(田沼時代)からその後の不況(松平定信)の時代を舞台に、札差の世界を描き、興味深く読むことができた。
個人的に好きな話は、「いわし祝言」である。経済ものからは少し離れ、良質な市井ものとして仕上がっている。このシリーズのなかで別の光彩を放つとともに、シリーズ全体の奥行きを与えているように思われる。作者は、深川にお住まいということで、地元の富岡八幡の本祭の神輿のシーンの臨場感が楽しい。
実は読み終えてジャンル分けに困ってしまった。札差の世界を描いた経済ものであり、深川情緒にあふれた市井ものであり、奉行所の米方筆頭与力が登場するので捕物の変種ともいえそうだ。でも一言でいえば、〈痛快もの〉といったところか。いずれにしてもオリジナリティのある作品で、次回作が待ち遠しい。

物語●「万両駕籠」喜八郎は、先代の時に多大な恩義を受けた札差・米屋政八の店じまいに力を貸すことになった…。「騙り御前」棄捐令で、旗本への多額の貸金を帳消しにされた、札差・伊勢屋四郎左衛門と、笠倉屋平十郎は、意趣返しの企みをこらしていた…。「いわし祝言」喜八郎が懇意にしている料理屋・江戸屋の女将・秀弥から、料理人の清次郎のことで相談を持ちかけられた…。「吹かずとも」深川富岡八幡の祭礼を1カ月後に控えたころ、蔵前の札差・笠倉屋平十郎は、番頭とひたいを寄せ合って、金の工面に頭を悩ませていた…。

目次■万両駕籠|騙り御前|いわし祝言|吹かずとも

ここから始まる本のリンク▼『闇と影の百年戦争』(南原幹雄著・徳間文庫)、『物書同心居眠り紋蔵(二) 隼小僧異聞』(佐藤雅美著・講談社文庫)

孤剣は折れず
(こけんはおれず)

柴田錬三郎
(しばたれんざぶろう)
[伝奇]
★★★★

カバー:御正伸(みしょうしん)
解説:尾崎秀樹
時代:寛永九年
場所:駒場野、江戸城、鈴森八幡、溜池、愛宕山、小日向ほか
(新潮文庫・857円・62/10/31第1刷・99/06/30第55刷・690P)
購入日:00/04/22
読破日:00/06/14

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孤剣は折れず 新作中心に追っているせいか、「時代小説SHOW」での大作家作品への評価が低いようなので、時間を見つけて少しずつ名作も読んでいきたい。
尾崎秀樹(おざきほつき)さんの解説によると、この作品は、『剣は知っていた』『美男城』に続く三部作の三作目だそうだ。前2作は読んでいないが、『眠狂四郎』に相通じるものを感じた。
時代は、三代将軍家光のとき。おなじみの柳生但馬守、大久保彦左衛門、春日局、松平伊豆守などが登場する。主人公・神子上源四郎(みこがみげんしろう)は、小野派一刀流の流祖・小野次郎右衛門忠明から、卓絶した天稟を認められ、師の前名(神子上典膳)をもらったという設定。ライバルの柳生のほかに、同門の兄弟子・高垣弥九郎、宮本武蔵の養子で手裏剣の名手・宮本伊織らが絡むチャンバラシーンは圧巻だ。
今までちゃんと描かれることが少なかった宮本伊織の扱いが新鮮。

物語●将軍家の狩猟場に入りこんだ、神子上源四郎は、柳生の門下になった、小野道場の四人と対決し、倒した。その後、空腹を覚え、近くにあった由緒ありげな泰樹を訪れた。そこで、病的なたおやかさをもつ、娘・美音(みね)と出会った…。
三年ぶりに江戸に戻った源四郎は、天涯の孤児であったころ、その剣の天稟を見ぬいて、小野次郎右衛門にあずけてくれた大久保彦左衛門に再会した。源四郎は、その彦左衛門のもとにいた、空斎と呼ばれた小男に、差料を見せ、それが村正の剣といわれ、不吉な剣相をいわれる…。

目次■なし

ここから始まる本のリンク▼『柳生武芸帳』(五味康祐著・新潮文庫)

おんな風水師 乱れ色方陣
(おんなふうすいし・みだれいろほうじん)

えとう乱星
(えとうらんせい)
[伝奇]
★★★★☆☆

カバーイラスト:村山潤一
カバーデザイン:今福健司
解説:壬生創次郎
時代:明記されず。(江戸後期)
場所:神田人形町、京・八坂神社、一条戻り橋、浜松、亀戸、深川十万坪ほか
(徳間文庫・514円・00/06/15第1刷・285P)
購入日:00/06/10
読破日:00/06/11

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おんな風水師 乱れ色方陣 えとう乱星(解説によるエトランゼ=異邦人からのペンネームらしい)さんの久々の新作で文庫書下ろし。江戸を襲う物の怪に挑む、美剣士・乾蓬莱之亮(いぬい・ほうらいのすけ)と謎の美少女風水師おねむの活躍を描く伝奇時代小説。
タイトルも表紙装画(昔の映画『北斎漫画』の樋口可南子さんを思い出した)もHっぽくて、書店で手にするとき、ちょっと恥ずかしかった。買うなら帯が付いている今がチャンスかも。読み始めると、意外なほどイヤラシイ感じがせずに、ストーリー展開に没入できるのは、作者の特質か。女性の方もだいじょうぶですよ。
また、作者ならでは仕掛けも施されていて、ファンの方は思わずニヤリとしてしまうところもあります。

物語●旗本の次男・三男の若者、河原崎次平太、野村新三郎、乾蓬莱之亮は、芸者遊びの帰りに、妖しい一艘の猪牙船を見かけた。逢魔が時ともいう瞬間に、船からは老人幻朴とその曾孫のおねむが降りてきた。蓬莱之亮は、老人と少女を神田人形町のしばらく長屋へ送っていくことになった…。
一方、次平太と新三郎は、不正を糺し不義を懲らしめるという名目で、尚義組(しょうぎぐみ)を組織し、大店を廻って小遣いを貰っていた。その尚義組に、公儀の影目付と呼ばれる謎の人物よりある指令が下った…。

目次■第一章 幻想の日々/第二章 尚義組無惨/第三章 触異夢郭攻防/第四章 風水合戦/解説 壬生創次郎

ここから始まる本のリンク▼『妖臣蔵』(朝松健著・光文社文庫)

異風者
(いひゅもん)

佐伯泰英
(さえきやすひで)
[政争]
★★★☆☆☆

装幀:西のぼる
装幀:芦澤泰偉
時代:明治五年(1872)、天保七年(1836)
場所:愛宕下藪小路、肥後人吉、お玉が池、新網町ほか
(角川春樹事務所ハルキ文庫・680円・00/05/18第1刷・301P)
購入日:00/05/20
読破日:00/06/11

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異風者 異風者(いひゅもん)とは、九州人吉で、妥協を許さぬ反骨の士のこと。その“異風”を貫き通した人吉藩の下級武士を描く時代長篇。
主人公の源二郎は、愛洲移香斎久忠を流祖とする愛洲陰流の刈谷道場で、道場の拭き掃除や師匠一家の雑事までをこなしながら月謝を免除してもらい、そのために周囲から蔑みの目で見られていた。その源二郎が、藩主相良頼之の声がかりの高覧試合に出場し、藩第一位の栄誉を受け、お金庫番の数馬家に婿養子として入ることになった。以降の展開のスピード感が何とも面白い。
古風な剣の遣い手である源二郎が江戸に出て、千葉周作の玄武館を見学するサービスシーンもあった。

物語●明治五年、愛宕下藪小路の旧肥後人吉藩の上屋敷門前に一人の老人が立って訪いを告げた。老人は、人吉藩のお金庫番数馬赤七の婿源二郎で、手には三十五年前に発行され変色した仇討赦免状と重そうな風呂敷包みを持っていた…。
源二郎は、天保七年に、人吉藩町奉行で、愛洲陰流(あいすかげりゅう)の剣術道場の師でもある、刈谷一学から火急の呼び出しを受けた。それは、お金庫番数馬赤七の娘やえとの形ばかりの祝言を終え、床入りを残すばかりの頃合であった…。

目次■第一章 祝言の夜/第二章 粛正の嵐/第三章 門葉反乱/第四章 仇討放浪/第五章 安政の大地震/第六章 明治の斬り合い

ここから始まる本のリンク▼『峠越え』(羽太雄平著・角川書店)

柳影
(やなぎかげ)

多田容子
(ただようこ)
[伝奇]
★★★★

装幀:芦澤泰偉
時代:万治四年(1661)
場所:小挽町、五番町
(講談社・1,700円・00/03/21第1刷・255P)
購入日:00/03/23
読破日:00/06/07

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柳影 『双眼』で、柳生十兵衛伝説に新たな1ページを加えた、若手女流時代小説家の第2弾。手裏剣の名手が主人公ということで、変種の剣豪小説かと予想したが、今回は皆川博子さんの作品を想起させる伝奇小説だった。
陰間(かげま)と聞くと、時代小説のヒーローとしては異色だが、この時代(将軍家綱の頃)は、女性の数が少なく、戦国時代からの衆道の風俗もあり、陰間茶屋で若衆と呼ばれる少年が春をひさぐのは珍しいことではなかったようだ。
柳次に手裏剣を教える長逆槍九郎(ながさか・やりくろう)は、手裏剣は裏武術で、むしろ、「血槍九郎」の異名をもち、東照権現様から下されものの朱槍を家宝としていた。

物語●られん香の柳次(りゅうじ)は、長逆流手裏剣術の継承者であり、売れっ子の陰間であった。
その頃、江戸では、役人、大工、魚売り、役者など若い男ばかり十数人が次々と行方をくらます神隠しが起こっていた。幕閣は連日、この神隠しについて議論を試みたが、事件の意味も実態もわからず、町奉行は捜査の糸口も掴めず職を辞した…。

目次■序之段/第一章 茉屋/第二章 屍/第三章 おそれ/第四章 色/第五章 間者/第六章 囚われ/第七章 あがき/第八章 春の暮

ここから始まる本のリンク▼『朱紋様』(皆川博子著・朝日新聞社)、『まんぞくまんぞく』(池波正太郎著・新潮文庫)

つむじ風お駒事件帖  疾風独楽
(つもじかぜおこまじけんちょう・はやてごま)

柏田道夫
(かしわだみちお)
[捕物]
★★★★☆

装画:蓬田やすひろ
装幀:蓬田やすひろ
時代:享保十三年
場所:両国広小路、田原町三丁目源水横丁、浅草奥山、両国橋ほか
(徳間書店・1,600円・00/02/29第1刷・317P)
購入日:00/02/18
読破日:00/06/03

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疾風独楽 江戸の娘らしくおきゃんで一本気の女曲独楽師ひらがなげんすいこと、お駒のキャラクターがいい。名人松井源水を父に、亡き母譲りの掏摸の技をも身につけている。そのお駒が独楽の心棒のように物語は廻りつづける。
大岡越前や紀伊国屋文左衛門などの有名人や、なぞの盗賊なども登場して、単なる捕物というよりは、伝奇っぽいカラーをみせてくれる。
プロフィールによると、作者の柏田さんは、雑誌編集者を経て、フリーライター、シナリオ・センター講師を務めておられるそうだ。そのためか、各シーンが映像的な構成をもっていて楽しめた。

物語●四代目松井源水の娘、お駒は、両国広小路で父譲りの曲独楽の妙技を見せていた。お駒のいでたちは、紅葉をあしらった派手な羽織に袴、高下駄である。前髪を垂らし、茶筅に束ねた総髪という男装で、十五になったばかりの小娘だった。そのお駒の舞台を、へちま顔の町人と月代を伸ばしっぱなしでいがぐりみたいな浪人の奇妙な二人連れが敵意を持って見ていた…。
おりしも、江戸では、香具師殺しが連続で発生し、十手を預かる源水は御用で忙しく走り回っていた…。

目次■第一章 両国広小路軽業猫舞/第二章 源水横丁御用堤燈/第三章 浅草奥山恋模様/第四章 両国橋掏摸無残/第五章 深川掘割貝独楽勝負/第六章 本所樽屋盗人宿/第七章 佐賀町河岸宿命剣/第八章 神田祭夢曳山/第九章 紀伊國屋文左座敷牢/第十章 倒壊永代橋独楽極意

ここから始まる本のリンク▼『新撰組』(白井喬二著・講談社大衆文学館)

陸奥黄金街道 小説金売り吉次
(みちのくおうごんかいどう・しょうせつきぬりきちじ)

三好京三
(みよしきょうぞう)
[源平期]
★★★★☆☆

カバー装画・装丁:西のぼる
解説:中津文彦
時代:久寿三年(1156)
場所:陸奥国栗原郡金成邑畑郷、平泉、白河の治田宿、京・三条、印旛沼ほか。
(学陽書房人物文庫・700円・99/05/20第1刷・417P)
購入日:99/05/22
読破日:00/06/01

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陸奥黄金街道 1991年9月、新潮社から『吉次黄金街道』と刊行されたものを改題。奥州ものというと、高橋克彦さんや中津文彦さんの作品を思い出す。思い入れが深い分だけ東北出身の作家の作品の方が面白く感じてしまう。あとがきによると、三好さんは、金売り吉次の屋敷址と言われる場所の近くにある分校(岩手県胆沢郡衣川村)で、平泉は生まれ故郷の隣町だそうだ。
金売り吉次というと、漠然と義経の後援者の一人ぐらいの認識しかなかったが、この作品によって、血が通った、ひとりの時代を動かしたヒーローの一人という認識がもてた。俄然、この時代に対する関心が湧いてきた。
物語の中に巧みに組み込まれた、金売り吉次の伝説が面白かった。作者の手腕と労力に拍手を送りたい。

物語●金掘り長者の炭焼藤太の息子・吉次は、父から先祖伝来の伝説を聞いてから京へ出ることを熱望しつづけていた。やがて、平泉の御館秀衡のもとで武士を目指し、擬戦に明け暮れ、力で若い雑兵たちの頭になり吉次軍団をつくり、元服した。そして、ついに平泉政庁の顧問・藤原基成の命を受けて、吉次軍団は京へ旅立った…。

目次■第一章 いじめっ子/第二章 金の窟/第三章 家出/第四章 吉次信高/第五章 吉次軍団/第六章 常盤御前/第七章 清盛公対面/第八章 父の死/第九章 館の夜/第十章 柳之御所/第十一章 橘次郎末春/第十二章 三条吉次屋敷/第十三章 鎮守府将軍/第十四章 五条の稚児/第十五章 女の賭け/第十六章 遮那王東下り/第十七章 ポンペツ・コタン/第十八章 砂金と女/第十九章 南宋の夜/第二十章 炎上のあと/第二十一章 預掠奪/第二十二章 曲水の宴/第二十三章 つむじ風/第二十四章 金の華/第二十五章 三好金/参考図書・取材協力/あとがき/解説 中津文彦

ここから始まる本のリンク▼『西行と清盛』(嵐山光三郎著・学陽書房人物文庫)