時代小説によく出る用語集

【遙任と受領】
ようにんとずりょう


『瀧夜叉』(皆川博子著・文春文庫)は、平安時代中期を描いた作品。そのため、随所に江戸時代とは異なる用語がでてくる。

当時は、国司とよばれる地方にある国の役所の長官が、朝廷から任命され、地方に赴任していた。彼らは、高禄を受ける上に、土地を開墾して私有し、農民には強制的に稲を貸し付けて年に3割から5割という利息をとっていた。

そのうち、任国に下らずに、都にとどまって享楽的な暮らしを送りながら禄だけをむさぼる「遙任」というスタイルが増えた。一方、それに対して任国に実際に赴き政務をとる役人は、「受領」と呼ばれた。

国司の官位は、守(かみ)・介(すけ)・掾(じょう)・目(さかん)の四つに分かれていたが、守はほとんど遙任で、介や掾は、土地の豪族が任命されることが次第に多くなっていった。こうして源氏や平家といった武士階級が次第に力を持つようになってった。(98/05/03)


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