【十組問屋】
とくみどいや
江戸開府以来、江戸の物資はほとんど上方から送られてきたものに依存していた。大坂からの物資輸送が途絶えると、たちまち生活に窮する 。そのため、荷主の問屋よりも海上輸送する廻船問屋の力が断然上回っていた。しかも、荷主たちには、海難事故に対する保障もなく、船頭や水夫たちに不正に荷を掠め取られるというような損害を受けることもあった。
そこで、元禄七年、江戸通町の大坂屋伊兵衛を中心に塗物問屋、小間物問屋、諸色問屋、薬種問屋、畳表問屋、太物問屋、紙問屋、油問屋、酒問屋、釘問屋の十組問屋という荷主組合が誕生した。このとき、廻船問屋と江戸の問屋衆の力関係が逆転する。その鍵を握ったのが大坂随一の豪商、鴻池(こうのいけ)だという。
江戸の商業史については、『第六江戸時代漫筆 商人』(石井良助著・明石書店)にわかりやすく記されている。(98/03/14)