時代小説によく出る用語集

【三べん廻って煙草にせう】
さんべんまわってたばこにしょう


馬を描いた時代小説というと、赤木駿介さんの『馬よ波涛を飛べ』(富士見時代小説文庫)や『南蛮馬春砂(はるしゃ)』(光文社文庫)を思い出す。その赤木さんの『日本競馬を創った男―エドウィン・ダンの生涯』(集英社文庫)は、「お雇い外国人」と呼ばれた明治初期に日本の近代化のために招かれた外国人技術者の半生を描く伝記小説である。

日本を愛した主人公エドウィン・ダンが日本人といっしょに仕事をしているとき、たどたどしい日本語で、江戸の「いろはがるた」の文句――三べん回ってタバコにしょう。を口にしてみんなを笑わせるシーンがあった。今ではあまりピンと来ない諺だが、これは江戸の火の番が、夜、深夜、夜明けの三回、町内を見回りしてから一服したことに由来している。(98/11/23)


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