時代小説によく出る用語集

【さごさい】
さごさい


『凧をみる武士 宝引の辰捕者帳』(泡坂妻夫著・文春文庫)は、各話ごとに語り手が変るというユニークな叙述スタイルをとっている。表題作では、“さごさい”の九造(くぞう)が事件について語っている。

“さごさい”というのは「さあござりなさい」を短く縮めた言葉で、辻宝引の口癖。さまざまな景品を付けた麻糸の束を振ると鈴などが派手な音を立てるので、なんだろうとまず子どもたちが集まってくる。宝引の方法は、簡単で小銭を渡して、“さごさい”の握っている糸の束の端を慎重に一本選び出して引いていき、その先に結ばれているものが賞品だ。

子ども相手とはいえ、その射幸心を煽る賭けの一種なので、一応禁制になっていたが、正月や祭日は別。江戸には寺院が多いので、毎日どこかで縁日や物日に事欠かず、仕事には困らなかったようだ。(99/09/05)


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