【寮】
りょう
作中で交わされる会話に、寮という言葉が出てくる。
寮とは別荘のことで、根岸や向島が有名だが、作品が描いている天保から弘化の頃には、大川沿いの今戸、橋場などに、富商の寮や妾宅が建ち並んでいた。しかも、本来、旗本や御家人が寮や別邸を持つことは許されなかったが、やはりこの時代になると、幕府のたがも緩み、大身の旗本の中には密かに別邸や妾宅を持つ者もいた。
北原亞以子さんの『傷 慶次郎縁側日記』(新潮社)の主人公が、奉行所を退いた後、寮番として事件を解決していくのが印象に残る。(99/03/14)