時代小説によく出る用語集

【蘭奢待】
らんじゃたい


『遊部』(梓澤要著・講談社)は、東大寺の宝蔵・正倉院を護る遊部一族と、時の権力者織田信長らとの対決を通して、人間の野心と異形の愛をロマン豊かに描く伝奇時代小説である。

「蘭奢待」ということばのもつ音と文字から伝奇色めいたものを感じるのは私だけだろうか。それぞれの文字の中に「東」「大」「寺」が隠されていることは、よく知られている。東大寺の寺僧あたりが考え付いた戯言と言われているが、別の意味も込められている。「東国のおごる侍」=武によって権力をもちはじめた新しい権力者たち(北条、足利、織田…)のことだ。

蘭奢待は、波斯(ペルシャ)からもたらされた香木で、二人がかりでも抱えきれぬほどの大きさの極上の伽羅香である。蘭奢待の切口に付けられた付箋には、足利義政、織田信長、明治天皇の三枚だけだという。(00/04/23)


←もどる↑ラ行