時代小説によく出る用語集

【楽市楽座】
らくいちらくざ


『剣豪将軍義輝』は3部構成になっている。その第2部にあたる《孤雲ノ太刀》は、廻国修行に旅立った青年将軍義輝の颯爽とした剣士姿が堪能できる。

そこで、義輝は斎藤道三を訪ねて稲葉山城の麓の町、井ノ口に着いた。そこで、伸び盛りの若芽のように活気溢れる町の様子に触れる。道往く人の足取りも、物売りの声も弾んでいた。楽市・楽座を採りいれていたのである。

その当時の商工業者の在り方は、京都を中心とする旧勢力の寺社や公家などの保護下で、座という同業組合を作って、営業権を独占し、座に加入していない業者を締め出すという排他的な状態から、まだ脱していない。座は世襲制であり、新規加入は認められなかった。

新興勢力である戦国大名は、市場ではこの座を否定して自由な売買を認める政策をとった。いわゆる楽市楽座である。そこでは市場への武家の居住禁止、市場にやってくる商人などに対して領国内の自由通行許可、諸課税の免除、あるいは犯罪者も市場住人となることで追及を受けないなど、市というものの本来の姿である、無縁の聖域的空間が提供されていた。(00/03/12)


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