時代小説によく出る用語集

【投げ込み寺】
なげこみでら


『京伝怪異帖』(高橋克彦著・中央公論新社)は、牢死したはずの平賀源内と、若き日の山東京伝(伝蔵)が、天狗や幽霊、神隠しなど、江戸を騒がす怪異の謎に迫る、時代ミステリー。

作中で、伝蔵の妻・お菊が罹った奇病の原因が、吉原の遊女と関係があることが突きとめられ、さらに謎を解くために、伝蔵らは投げ込み寺として知られる、箕輪の浄閑寺へでかける。

げ込み寺と言っても特別な構えではない。他の寺と違っているのは門前に掘られている四角な穴ばかり。吉原では抱えの遊女が死ぬと、店の若い者たちがその死骸を藁にくるみ、荷車に乗せてここまで運んでくる。そしてその穴に投げ込んで立ち去る。寺の方では、夜中に捨てられた死骸を未明までに引き揚げ、今度は無縁仏として無縁怩フ下に葬ったという。

浄閑寺は、文豪・永井荷風さんの碑があることでも知られている。(00/07/16)


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