時代小説によく出る用語集

【名主】
なぬし


杉本章子さんの『名主の裔(すえ)』の主人公は、神田雉子町(きじまち)の名主であり、「江戸名所図会」の筆者(親子三代で綴った)として知られる、斎藤月岑(げっしん)こと斎藤市左衛門。

名主は、江戸に二百六十余家もあり、草創(くさわけ)名主、古町(こちょう)名主、平名主、門前名主と四つの階層があって、番外には新吉原と品川の名主がある。草創名主は、江戸の名主の中でいちばんの重きをなし、正月三日、町の総代として江戸城に参賀もすれば、町奉行交代のおりには真っ先に御目見をするといった、町人の代表だ。『名主の裔』の市左衛門は、草創名主二十四家のひとつ、斎藤家の九代目で、幕末から名主を務め、江戸最後の名主の一人だった。(98/05/31)


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