【麦藁蛇】
むぎわらへび
江戸時代は、富士山信仰が盛んで、信仰組織の富士講(ふじこう)が多く、「八百八講、講中八万人」といわれていた。富士講では、富士登山を目標に掲げていたが、実際には江戸の各地に作られているミニチュアの富士塚に登って代用することが多かったようだ。そのなかで、草分けのひとつが駒込の富士浅間社の富士塚で、「駒込のお富士さん」と呼ばれていた。
旧暦六月一日の富士山の山開きに合わせて、「駒込のお富士さん」も前夜から山開きの祭礼でにぎわっていたという。土産としては、麦藁で蛇の形に作った魔除けの麦藁蛇が有名。確か平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」(文藝春秋)の中にも登場したような記憶がある。(98/05/17)