時代小説によく出る用語集

【御城米船】
ごじょうまいぶね


『朱の丸御用船』(文春文庫)は、江戸末期に、志摩国の漁村・波切(なきり)村で起こった、幕府の御用船(御城米船)の難破とそれに関連して起こった事件を描いた、吉村昭さんの歴史小説。史実に忠実な作者らしく、淡々と事実のみを積み重ねていく手法は、ある種の凄味を感じる。

御城米船(p.39に初出)とは、全国各地の幕府領(天領)から年貢として徴収した米を江戸、大坂に集めるために、それを輸送する御用船のこと。

御城米船には厳しい規則が課せられていて、使用する船は順調な航海をする必要から、新造してから七年以内の廻船が選ばれる。船には、年貢米(御城米)と乗組員の口にする糧米のみを載せ、他の物品は一切積載しない。乗り組む者は、身許引受人のいる素性正しい者たちばかりで、経験豊かな船頭に任せられた。不正防止のために、上乗りと称する積荷の処理監督にあたる第三者を同乗させることが定められていた。

御城米船には、船尾の左舷側に、白地に朱色の日の丸を大きく染め付け、上方に御用と黒い文字が記された、縦長の幟が立てられていた。(00/07/30)


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