時代小説によく出る用語集

【冠位十二階制】
かんいじゅうにかいせい


『斑鳩宮(いかるがのみや)始末記』は、廐戸皇太子(聖徳太子)の命を受けて百済からの渡来系氏族で舎人・調首子麻呂(つぎのおびとねまろ)が犯罪捜査に活躍する、異色捕物帳である。聖徳太子というと、教科書でおなじみの十七条の憲法や冠位十二階制などをつくったことで知られている。この時代(推古朝)、日本で初めて官司制度ができたという。

作中でも、冠位十二階制の発足にまつわるエピソードが綴られている。聖徳太子は、有名氏族の家に生まれただけで、無能者が大きな顔をして大夫(まえつきみ)になることを改革したかった。冠位制が試行されれば、ややもすれば下に見られがちな渡来系の氏族であっても、能力次第で高位につけるのである。もちろん、既得権にあぐらをかいている保守派の反撥は強い。

冠位十二階制が正式に発表されたのは、推古十一年(603)の十二月。翌年正月には、斑鳩宮、飛鳥朝廷の官人にそれぞれの位が与えられた。中国の五常思想の仁、義、礼、智、信を基本にしたが、最高位に徳を加え、智と信を入れ替え、智は最下位になった。

六つの階位が十二階位になったのは、それぞれを大小二階位のしたからである。徳の場合なら大徳、小徳となる。冠位十二階制は、大化改新で少し改められ、大化三年(647)まで続いた。(00/04/02)


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