時代小説によく出る用語集

【関白】
かんぱく


『島津奔る』(池宮彰一郎著・新潮社)は、関ヶ原の戦いに、西軍側として加わった島津家の戦いぶりを描き、合戦後、なぜ薩摩島津家だけが領国を守り抜けたのかという謎に、ひとつの答えを示した歴史小説。評判に違わぬ傑作。

石田三成が東軍に与しながら、戦おうとしない小早川秀秋に、関白職を約束することで、戦に引っ張り出そうと申し入れる。

関白は、天皇を補佐し、百官を統べて、国政を総覧する朝廷での最高職である。天子が幼帝のときは摂政となる。往古は藤原氏主流の専任であったが、鎌倉時代よりは、その子孫が近衛、鷹司、九条、一条、二条に分かれ、交替した。これを五摂家と称した。五摂家以外で関白に任ぜられたのは、豊臣秀吉が最初。関白を辞任して後、その子が関白になれば、太閤と呼ばれ、殿下の敬称を受ける。

秀吉は、関白職を養子の秀次にゆずって太閤殿下と称せられたが、やがて秀次を高野山で自害させてからは、関白職は空席のままであった。ちなみに、小早川秀秋は秀吉の正妻・北政所の兄、木下家定の第五子であり、北政所の養子として一時育てられ、やがて、小早川隆景の養子となり、小早川家を継いだ。(99/11/07)


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