時代小説によく出る用語集

【介者剣法】
かいしゃけんぽう


えとう乱星さんの『十六武蔵』(廣済堂文庫)は、佐々木小次郎と宮本武蔵の船島(巌流島)の試合から物語が始まる。浅学にてこの作品を読むまで、十六武蔵(じゅうろくむさし、十六六指とも書く)というボードゲーム(遊戯)が昔から日本にあることを知らなかった。

テンポよく物語は展開してゆく。大坂の陣から島原の乱まで、ゲームの駒のように翻弄される剣士たちの運命(さだめ)が見もの。

佐々木小次郎の巌流には、介者剣法の気分を多く残していて、合戦に適しているという。介者、つまり鎧武者と戦うことを前提としているため、鎧の隙間部分の喉・脇・手首・股などを狙うのである。また、刀の損傷を考えて突きと引き斬りが多いのも特徴。敵兵に身体を寄せ、首や手や股を斬り、戦闘能力を奪うことを目的にしている

ので、留めは刺さない。

あとがきにある「よろしければ声に出して読んでみて下さい。耳に心地いい文章を心がけているつもりですので……。」という、えとうさんの言葉を読んで、読み味のよさの一因がわかった気がする。(99/06/13)


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