時代小説によく出る用語集

【沖の口奉行】
おきのくちぶぎょう


日本の冒険小説界を代表する船戸与一さんの「蝦夷地別件」(新潮文庫)は、フランス革命直前の蝦夷、ロシア、江戸を舞台にした圧倒的なスケールをもつ時代小説だ。蝦夷ものというと、アイヌ独自のことばや風俗が出てきて新鮮であるとともに戸惑うこともある。

蝦夷地を所領と考えている徳川政権の前線にあるのが、松前藩である。稲作に依らず、交易と運常金などの賦課税に藩財政を頼る松前藩には、沖の口奉行という独自の役職がある。

入御役や入口銭と名づけられた賦課税の検分を狙いにするだけではく、田畑を耕さずに商いだけの松前をめざして流れ込んで来る無宿人や渡世人の監視をしていた。(98/09/20)


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