チャート:タイプでわかるベスト時代小説

虹の橋(にじのはし)

著:澤田 ふじ子(さわだふじこ)
 (中公文庫)



Amazon.co.jpで購入

思いっきり泣きたい人におすすめの逸品。しかし、単なるお涙頂戴の市井ものではありません。京都在住の作者が、次々と披瀝する、京都の地誌、歴史から当時の人々の職業観を通して、京の町の人々の生活の襞の中に入っていくことができます。と書くと、なんだか難しそうですが、江戸時代の京都が堪能でき、その一部は伝統として現在に残っているということです。つまり、京都を解析する最適な一冊というわけです。

物語●島原遊郭に妹千代を売ろうとした両親を殺めてしまった富士太。 末は夫婦と宮大工修業に励む宗吉と錦小路の魚屋で働く千代の幼なじみ の二人。幸せ薄い若者たちの見果てぬ夢。京の建仁寺脇の長屋で、貧しいながらもけなげに生きる人々の哀歓を描く時代長編小説。

澤田ふじ子さんには「橋」が付く作品が多数あります。人と人が出会い、そして別れる場所が橋であるからでしょうか。ともかく、いずれも秀作ぞろいです。

★こんな作品もおすすめ
⇒『幾世の橋』(澤田ふじ子著・幻冬社文庫)
⇒『壬生義士伝』上・下(浅田次郎著・文春文庫)
⇒『神無き月の十番目の夜』(飯嶋和一著・河出文庫)

←戻る