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大川わたり

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大川わたり
大川わたり
(おおかわわたり)
山本一力
(やまもといちりき)
[市井]
★★★★☆

御贔屓の山本さんの最新作。スローネット(http://www.slownet.ne.jp/)に、日刊で連載した江戸市井小説。

銀次と猪之介との間で交わされた借金返済のための条件が、借金を返すまでは大川を渡って深川に戻って来るなの一条。深川で生まれ育った銀次にとって、大川を渡り川の向こうに住むことの難しさとは…。冒頭の設定の妙でぐいぐい引きこまれる、プロットの巧みさが見事。

一途な若者・銀次。それゆえに、挫折し、周りの助けで立ち直り、一生懸命生きていく。人を信じること、智恵と勇気で困難に立ち向かうことの大切さを改めて知ることができる。こんな厳しい時代だからこそ、読んで感動したい作品である

物語●二十七になったばかりの銀次は、一月に二両も稼ぐ腕のいい大工だったが、失意がもとで博打にはまり、半年でニ十両もの借りを作ってしまった。持ち金はすべて借金の返済に取り上げられたばかりか、仲間を賭場に引き入れる役まで強いられた。昨日、銀次が賭場に引き込んだ鏝屋の一家が夜逃げをした。鏝屋の暮らしを潰したことで、銀次は腹を決め、賭場を開いている達磨の猪之介に掛合いに行った…。

目次■壱/弐/終章

画:葛飾北斎/富嶽三十六景(深川万年橋下)
題字:日野原牧
装幀:中原達治
時代:天明八年(1788)1月18日
場所:大横川、富岡八幡宮、佐久間町、日本橋呉服町、炭町、佐賀町、神田明神ほか
(祥伝社・1,700円・01/12/20第1刷・300P)
購入日:02/01/02
読破日:02/01/07

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