闇の太守 御贄衆の巻


闇の太守―御贄衆の巻 (講談社文庫)
闇の太守 御贄衆の巻
(やみのたいしゅ おにえしゅうのまき)
山田正紀
(やまだまさのり)
[伝奇]
★★★☆☆

調布のパルコブックセンターで、鳥越碧さんの『雁金屋草紙』(講談社文庫)を探しているとき、何気なく眼に留まった一冊。カバーに書かれた伝記ロマンという言葉に釣られる。4年前発行の第1刷ということで在庫は僅かで、おそらく増刷されないような気がするので、運がよかったって感じだ。

戦国時代を舞台にした作品では、いつも脇役に甘んじている越前・朝倉家を中心に取り上げている。中太刀、小太刀の精妙な刀術を編み出した富田流の祖、富田五郎佐衛門勢源とその弟子、小次郎が脇を固める。

蟇目、殯、蟄虫、直面など、黄泉の国を連想させる、御贄衆が、山田風太郎さんの忍法ものばりの幻術を競い合うのが楽しい。

ただし、この「闇の太守」は、全部で4部作(枝編の「闇の太守」と、梟雄の巻、桃源の巻と続く)の始まりの巻らしく、他の巻も読みたいのだが…。

物語●四十年前の約定を違えれば祟らせていただく、男児は夭逝、女児は家を滅ぼす―この世に戦乱を望み、越前朝倉家滅亡を画策する妖怪・是界と御門十兵衛(明智光秀)。運命に子、疾風(はやて)に危機が迫る、どこからともなく現れる、贄塔九郎を頭領とする、御贄衆…。

目次■第一章 誕生記/第二章 蟇目/第三章 閻魔冥官/第四章 剣士・秋月小次郎/第五章 鷽女/第六章 直面・殯・蟄虫/第七章 百舌・鵺/第八章 贄塔九郎/あとがき/稀に見る作者根性 多岐同心円を描く作家―山田正紀に関するノート―今日泊亜蘭

カバー装画:天野喜孝
カバーデザイン:岸顯樹郎
時代:天文二十二年(1553)春、永禄九年(1566)春
(講談社文庫・466円・93/8/15発行)
購入日:97/5/24
読破日:97/6/17

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