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幕末剣客伝

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幕末剣客伝幕末剣客伝
(ばくまつけんかくでん)
津本陽
(つもとよう)
[剣豪]
★★★★☆

『千葉周作』(角川文庫)が面白かったので、Get!

新選組隊士で、明治以後も生きた隊士というと、斎藤一や永倉新八の名をよく聞くが、中島登の名はあまり聞かなかっただけに、興味深く読めた。

本書によると、中島登が新選組に参加したのは元治元年正月であったが、隠密探索に従事し、密偵役をつとめていたために、隊士職制に名を連ねたのは、三年後の戊辰戦争直前の慶応三年秋だった。江戸を脱走し、箱館で降伏し、明治五年にいたるまで、新選組での過去を隠しつづけていた。八王子の出身で、天然理心流と北辰一刀流の遣い手でもある。剣での立ち会いシーンが随所に描かれていて迫力満点である。

その中島の幕末維新の回想と明治の新時代での生き様がバランスよく描かれて面白かった。

物語●明治五年、東海道浜松宿の貸座敷で、白須賀一家のごろつきたちが暴れていた。灯油がはいったブリキ缶を持ってきて火をつけると脅していた。集まってきた野次馬の中から背の高い士族が歩み出て、ごろつきたちを懲らしめた。その士族は元新選組の中島登だった。その騒ぎで、中島は元彰義隊士で、会津地蔵堂の戦で命を救った大島清慎と再会した。浜松で代書屋をしている大島のすすめで、中島は浜松宿に腰を落ち着けることになった…。

目次■勇士のめぐりあい/武士の商法/ちぎれ雲/解説 清原康正/年譜 磯貝勝太郎

カバーイラストレーション:村上豊
カバーデザイン:岸顯樹郎
解説:清原康正
時代:明治五年(1872)旧暦三月
場所:浜松、京、板橋宿、箱館、下谷車坂、横浜ほか
(講談社文庫・563円・94/09/15第1刷・96/08/28第3刷・357P)
購入日:98/10/18
読破日:02/02/13

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