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江戸の名所 お上り武士が見た華の都

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江戸の名所 お上り武士が見た華の都
江戸の名所 お上り武士が見た華の都
(えどのめいしょ・おのぼりぶしがみたはなのみやこ)
田澤拓也
(たざわたくや)
[江戸入門]
★★★☆☆
(江戸検を受験する人:★★★★★)

江戸文化歴史検定の今年のお題は「江戸の名所」。その参考図書として、小学館101新書から刊行。「江戸検新書」の文字も入っている。「江戸検」受験にも役立つシリーズとして、今後も随時刊行していくらしい。

『江戸の名所 お上り武士が見た華の都』は、紀州藩の下級武士で、江戸勤番になった、酒井伴四郎(さかいばんしろう)の日記で、彼が訪れた江戸の名所を紹介する、江戸入門書。

幕末の紀州藩士・酒井伴四郎の日記については、歴史家の安藤優一郎さんをはじめ、何人かの人が取り上げているが、今回は江戸文化歴史検定の参考図書ということを考慮して、情報量を抑えて、簡潔な解説がなされていて、読みやすい。

王子権現の近くの料理屋の扇屋で、ロシア・アメリカ・フランス・イギリスの四カ国の人々が飲食をしていたということにも触れられている。

時代小説好きで、『江戸の名所』で江戸観光に興味を持ったら、『江戸アルキ帖』をはじめとした杉浦日向子さんの著作物と、『時代小説「江戸名所」事典』や『観光都市 江戸の誕生』、『大江戸100景地図帳』あたりがおススメ。

読みどころ●江戸は江戸時代の政治の中心と同時に、人が集る娯楽や名所にあふれた、地方に住む人たちにとっては一生に一度は見物に訪れてみたい観光都市だった。そんな江戸観光を堪能したのが、紀州藩の下級武士の酒井伴四郎。勤番のかたわら、足しげく江戸の名所を巡り、名物を食べ歩いた伴四郎が残した詳細な日記をもとに、江戸の名所をわかりやすく解説する。

目次■序章 江戸勤番武士の生活 山本博文/第一章 まずは江戸全体を眺める(大名小路/愛宕山/湯島天満宮(湯島神社・湯島天神)/上野/霞ヶ関)/第二章 気楽な繁華街「四谷・赤坂」(山王権現社(日枝神社)/豊川稲荷(豊川稲荷東京別院)/京極家金毘羅大権現/氷川明神社(赤坂氷川神社)/市谷八幡宮)/第三章 江戸を見守る「上野・神田」(寛永寺/不忍池/駿河台/神田大明神(神田神社・神田明神)/柳原土手/根津権現社(根津神社)/道灌山)/第四章 花の都の中心「日本橋・京橋」(日本橋/日本橋魚市/日本橋界隈/長崎屋)/第五章 江戸随一の繁華を誇る「浅草・吉原」(浅草寺/年の市・蓑市/浅草奥山/太郎稲荷/真土山聖天宮(待乳山聖天宮)/大鳥大明神社(鷲神社)/新吉原遊女町/今戸/朝日神明宮(石浜神社))/第六章 娯楽あふれる「両国」(両国橋/両国橋西詰広小路/両国橋東詰/回向院)/第七章 閑静で風光明媚な「向島」(隅田川の堤(墨堤)/長命寺/白鬚明神社(白鬚神社)/三囲稲荷社(三囲神社)/牛御前王子権現社(牛島神社)/木母寺/秋葉大権現社(秋葉神社)/新梅屋敷(向島百花園)/宰府天満宮(亀戸天神社)/梅屋敷)/第八章 新興地の活気あふれる「本所・深川」(霊巌寺/永代橋/富岡八幡宮/三十三間堂/洲崎弁財天(洲崎神社))/第九章 行楽の別天地「王子・染井」(伝通院/白山権現社(白山神社)/染井/飛鳥山/王子権現社(王子神社)/王子稲荷社(王子稲荷神社)/鬼子母神堂(雑司ヶ谷鬼子母神)/万昌院)/第一〇章 幕末動乱直前の「芝・目黒・品川」(増上寺/飯倉神明宮(芝大神宮)/赤羽水天宮/泉岳寺/目黒不動堂(目黒不動)/御殿山/品川宿/東海禅寺(東海寺)/海晏寺)/第一一章 健脚の江戸人が通う「西の郊外」(太宗寺/中野桃園/妙法寺/大宮八幡宮/井頭の池(井の頭池)/横浜)/結び 酒井伴四郎が江戸にいた幕末という時代/参考文献

装幀:おおうちおさむ
時代:万延元年(1860)
(小学館101新書・700円・2011/07/05第1刷・190P)
購入日:2011/07/10
読破日:2011/07/20

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